世界一奪還の期待に応えるために― なでしこ鮫島、3度目のW杯に掲げるキーポイント

フランスはかつてプレーした地も大きな会場は未知…「芝の感触などは日本と全然違う」

 ゴールに近い場所での水際戦術でなく、解決策はその前の部分にあるということだ。そして、そうした課題への対策として、鮫島が期待しているのは、この国内合宿で予定されている、男子学生とのトレーニングだと言う。

「この間のドイツ、フランスとの練習試合もそうですけれど、スピードの速い相手とやるうえで、とても良い練習になると思います。そこで、自分たちがどれだけ質を上げてプレーができるのかという部分。今までの合宿でそれほど男子とやる機会がなかったので、そこは取り組んでいきたいなと思っています」

 過去には、アメリカからフランスへ渡り、モンペリエでプレー。クラブチームで戦った地へ、今度は代表チームの一員として乗り込んでいく。「フランスでプレーしていたのは、だいぶ前のことですからね」と鮫島は笑う。

「モンペリエは決勝に出たりするほど強いチームではなかったので、そんなに大きなスタジアムで試合をした記憶はありません」

 アルゼンチンとのグループリーグ初戦が行われるパルク・デ・プランスや、準決勝、決勝の舞台となるパルク・オリンピック・リヨンは、未体験ゾーンだ。それでもフランスで戦った経験は、しっかりと自分に還元されている。

「芝の感触などは日本と全然違う」

 日本では固定スパイクでできても、向こうは土の部分から持っていかれるから、ミックスでないと踏ん張れない。そうした一つひとつの違いを知っていることは、フランスで戦ううえで、見えない力になるだろう。

 昨夏のアジア大会では「本当は、アジアで勝つのは簡単なことではないけれど、日本の皆さんは『アジアなら勝って当たり前』と思われている。それならその期待に応えるしかない」と有言実行。女子アジアカップとの二冠を達成してみせた。

 フランスW杯でも、「なでしこなら、世界一に返り咲ける」と信じる者が多ければ多いほど、鮫島はその期待に応えるべく、最善の努力をしてくれるだろう。

(西森 彰 / Akira Nishimori)


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