南野拓実、オーストリア“5連覇”と苦闘の日々 常勝軍団で今季14得点を決めている価値

ザルツブルクMF南野【写真:Getty Images】
ザルツブルクMF南野【写真:Getty Images】

2015年の加入以来、5シーズン連続でリーグ優勝を経験 「すごく嬉しい」と安堵

 5月5日、ザルツブルクはオーストリア・ウィーンを2-1で下し、リーグ6連覇を飾った。この日、先発フル出場を果たした南野拓実にとっては2015年1月の移籍以来、5シーズン連続のリーグ優勝となる。

「勝ち方的に(カップ戦決勝と比べて)今日のほうが劇的やったし、嬉しさはある。この前はまだ、この試合があるという部分もあったんで気が抜けないというのがあった。でも、今日は完全にみんなと一緒に騒ぎたい気分だし、すごく嬉しいですね」

 南野は試合後の取材エリアで、ホッとした穏やかな表情でそう語っていた。

 ザルツブルクは常に優勝を義務付けられたチームだ。苦戦することすら許されない。抱える選手層、所属しているリーグのレベルを考えると当たり前だと言われ続ける。そのプレッシャーの中で勝ち続けるのが、簡単なはずがない。

 ましてやチーム内のレギュラー争いは熾烈だ。ザルツブルクは今季のUEFAクラブランキングで29位。27位リヨン(フランス)、28位レバークーゼン(ドイツ)という強豪クラブのすぐ下に位置する。各ポジションには将来を嘱望される選手が目白押し。ザルツブルクを足掛かりに、欧州トップリーグやトップクラブへのステップアップを果たそうとする選手がしのぎを削っている。チームプレーをするのは当たり前で、そのうえで自分の持つ長所を発揮して、チームにプラスアルファをもたらすことができるかが問われる。

 そしてリーグ戦では、どの対戦相手にとってもザルツブルク戦はシーズンのハイライト。「今季最大のゲーム」という立ち位置で試合に臨んでくる。ファウルぎりぎりのプレーで全選手が体を張り、普段以上の力を引き出してくるわけだ。

 3月14日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)準々決勝のナポリ戦(2戦合計3-4で敗退)後に、南野はこう語っていた。

「ここからリーグとカップ戦だけなので試合数も少なくなる。ベンチの選手が増えてくるし、試合に出られない選手が増えてくる。試合に出たからには結果を出さないといけない、という戦いが僕にはまだ待っている」

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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