韓国代表「枠内シュートたった4本」 ボリビアに勝利も…母国メディアは采配に不満

韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】
韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】

ホームで1-0勝利も、世代交代へのトライなきベント監督の選手起用に皮肉も

 韓国代表は22日、蔚山で行われた国際親善試合でボリビア代表を1-0で下した。

 今年1月のアジアカップではベスト8で敗退し、批判も浴びたパウロ・ベント監督は、再出発となる大事な一戦にエースFWソン・フンミン(トットナム)のほか、GKキム・スンギュ(ヴィッセル神戸)、MFナ・サンホ(FC東京)らを先発のピッチに送り込んだ。

 一進一退の攻防が続くなか、均衡が破れたのは後半41分。左からのクロスに合わせて飛び込んだMFイ・チョンヨン(ボーフム)が、豪快なヘディングシュートを叩き込み、1-0と勝利を収めた。

 リスタート初戦で白星を手にしたものの、韓国メディアの批評は辛口だ。

 スポーツ紙「スポーツ韓国」は、「冷静に見れば、内容と結果に大きな意味を置くべき試合ではなかった。敵将が韓国を“サッカー強国”と表現し、FIFAランキングも『22』(韓国38位、ボリビア60位)も差があるくらい、戦力では大きな開きがあったのがその理由だ」とし、韓国が優位なのは当然のことと伝えている。

 同紙は「選手構成で変化が必要だった」と強調。「ボリビア戦はアジアカップベスト8敗退後の試合であったし、世代交代に対する意思を表すべき舞台だった。戦力差を考えれば、それはより“絶好の機会”だった」と伝えている。

 ただ、そうしたこととは裏腹に「ベント監督はそのほとんどが既存の先発メンバーを維持することに重きを置いた。この日のスタメンは11人中9人が、アジアカップメンバーだった」と、大胆な選手起用が見られなかったと皮肉っている。

 特に韓国国民やファンが期待していた、18歳のMFイ・ガンイン(バレンシア)のほか、21歳のMFペク・スンホ(ジローナ)には出場機会が与えられないままだった。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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