「横の揺さぶり」と「エリア内への仕掛け」 香川らしさに見えたアジア攻略の鍵

「奥行きや広がり、3、4人目を使う」

 ハリルホジッチ監督もイラン戦前日会見で、「いつスピードアップするか、スピードダウンするか。日本代表がアイデンティティを求めていかなければならない。グラウンダーのボールで、速いプレーを目指さなければならない。それで(相手の)背後を狙う、そして可能なら奥行きや広がりを使う。3、4人目を使う。できるだけ我々のFW陣が、相手のゴールに体を向けてプレーしてほしい」と、攻撃に幅を持たせることの重要性を説いている。

 香川も「(イランは)個々の能力はシリアより高いですし、そういう意味では彼らのホームですけど、より厳しく来るんじゃないかと思ってます」と語るのが13日のイラン戦。来年に始まるワールドカップ・アジア最終予選を見据えれば、このレベルの相手にどれだけ今の日本の攻撃が通用するのかを試せる、格好のテストマッチとなる。

「やっぱり中で普通に競り合っても勝てないので、そういう意味では工夫しなければいけないですし、ロングボールだけではやっぱり厳しいので、しっかりと足もとで、動き出しの準備だったり、質っていうのはこの前よりさらに上げて、駆け引きをしていきたいなと思ってます」

 好調な香川を中心とした2列目が、いかに前を向いてボールを受け、エリア内へと仕掛けていけるか。思えば、先制点のPKもロングフィードを受けた岡崎が、少ない人数での攻撃に臆することなくエリア内へ仕掛けていったことから生まれた。大きく揺さぶって、素早く仕掛ける——。現代表の武器の一つである多士済々なドリブラーを生かす意味でも、横方向の揺さぶりをより意識したいところだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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