日本の戦術的“柔軟性”に韓国紙も脱帽 ボール支配率23.7%に驚き「カラーを捨てた」

日本代表は、サウジアラビアに1-0で勝利し準々決勝に進出した【写真:Yukihito Taguchi】
日本代表は、サウジアラビアに1-0で勝利し準々決勝に進出した【写真:Yukihito Taguchi】

サウジアラビアを1-0で破った守備的な戦い方に注目 「数字だけ見れば錯覚する」

 日本代表は21日のアジアカップ決勝トーナメント1回戦で、サウジアラビアに1-0で勝利し準々決勝に進出した。韓国メディアも、中東の強豪サウジアラビアを相手に辛勝した日本の試合内容に注目。これまでの日本の特長とも言えるボールを支配しながらゲームを展開する“パスサッカー”が鳴りを潜めた点について指摘している。

 韓国の一般紙「国民日報」は、「ボール支配率を与えた日本。カラーを捨て勝利を手にした」と見出しを打ち、「23.7%のボール支配率はサウジアラビアを相手にした日本の記録だ。数字だけ見れば、サウジアラビアのデータと錯覚するほど」と伝えている。

 それほど韓国メディアにとっても、今回の守備的な日本の戦い方には驚いた様子だ。

「ショートパスをベースにゴールに迫るポゼッションサッカーは日本の象徴と言える。だが、この日だけは違った。守備重視の試合を展開した。前半20分にCKから先制してからは、日本の密集した守備はより強固になった。武藤嘉紀と南野拓実までもが下がり、積極的に守備に貢献した。無理な攻撃もしなかった。ポジションの間隔を保ちながらの守備に、サウジアラビアはスペースを探すことはできなかった」

 グループリーグで失点した時の日本の守備力からは一転、高い組織力のある守備でサウジアラビアの猛攻をシャットアウトした。

 相手の出方によって戦術を変え、守備重視の戦い方で勝利を手にした日本のスタイルと柔軟さに、韓国メディアも脱帽しているようだ。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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