「日本人に言える課題」 流経大柏監督が指摘した“ズルさ”の必要性「騙すのではなく…」
流経大柏が逆転勝利で3回戦に進出 本田監督は開口一番に「苦しめられた」
流通経済大柏(千葉)は2日、フクダ電子アリーナで行われた第97回全国高校サッカー選手権の2回戦で徳島市立(徳島)と対戦し、2-1の逆転勝利を飾った。
「苦しめられた」
流経大柏の本田裕一郎監督は、開口一番にそう口にした。前回大会で準優勝、今大会でも優勝候補の一角と見なされている流経大柏だったが、堅守を武器とするチームが先制点を献上するというまさかの展開となった。それでも、攻撃の要であるMF熊澤和希がPKを含む2ゴールで逆転に成功し、3回戦へと駒を進めた。
初戦はどのチームにとっても難しい試合になることは間違いないが、それでも後半16分に失点し、残された時間が24分間という状況に、さすがの常勝チームも焦りを見せていた。本田監督はビハインドの状況を受け、大会屈指の空中戦の強さを誇るDF関川郁万にパワープレー要員としてFWに配置させる大胆な策を指示したが、その直後に熊澤の同点ゴールが生まれたことで、その賭けには出ずに済んでいた。
流経大柏を率いて今年で19年目を迎えた本田監督は、選手権の実績が十分な名将だが、この試合における苦戦ぶりを受け、日本人選手全体の特徴に通ずるチームの課題を口にしている。
「このチームには“ズルさ”がない。それは、日本人に言える課題。相手を騙そうとするようなズルさではなくて、相手に問いかけをした時、どのように返してくるか、相手がどういうリアクションをするかを想定すること、その上でのズルさが分かっていない。例えば苛立っている相手を軽く押したとして、それで『なんだこの』と相手が突き飛ばしてくるようなことがあれば、それでイエローが出るかもしれない。そういうズルさです」
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