“平成最後”の高校選手権開幕! 瀬戸内主将が“4分超”選手宣誓「素晴らしい奇跡に感謝」
平成最後の選手権と、地元広島で起きた西日本豪雨災害に触れたロングメッセージ
第97回全国高校サッカー選手権が30日に開幕し、東京・駒沢陸上競技場で開会式が行われた。高揚感が漂うなかで選手宣誓の大役を務めたのは、広島・瀬戸内高校の佐々木達也主将だ。平成最後の選手権、そして地元広島で起きた西日本豪雨災害について触れる4分超の“ロングメッセージ”となった。
瀬戸内は今季のJリーグベストヤングプレーヤー賞に輝いたMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)の母校としても知られ、近年は2010年度から4年連続でインターハイ出場を果たした。その一方で選手権の舞台に届かなかったものの、ついに今大会で悲願の初切符を手に入れた。
そのチームにあってナンバー10を背負い、身長165センチながら攻撃の中枢を担う佐々木が、選手宣誓の大役を担った。そこで来年4月いっぱいで終わりを迎える「平成」の元号、そして今年7月に広島県や岡山県で起きた西日本豪雨についても触れた。
「この平成という時代の幕を閉じようとしている年に、記録的な猛暑や地震、西日本豪雨災害を私たちは経験しました。被災された多くの方々は今もなお不安な日々を過ごされています。答えの出ない毎日、悲しみを抱えながら生きていくことは苦しくて辛いもので、何気なく過ごしている日々がいかに尊いものであるかを改めて考えるきっかけにもなりました」
このように触れた佐々木は、苦しくも乗り越えたトレーニング、そして「ベストサポーター」と表現した家族への感謝を口にしつつ、「2020年東京オリンピックや、2022年カタール・ワールドカップに胸を馳せながら、新たな時代の幕開けとなる歴史の1ページを作るべく、ここから一歩を踏み出します」とも力強く語った。
東京五輪世代、そしてロシア・ワールドカップ(W杯)後に世代交代が進みつつある日本サッカーにあって、佐々木のメッセージは全48校、1400人を超える選手たちのハートにも響いたはずだ。