ファン・ハールが貫く赤い悪魔への忠誠 他クラブの指揮は「不可能だ」

欧州CL初戦で激突する母国強豪PSV監督就任の可能性を完全否定

  マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ初戦PSV戦に向けた前日会見に臨んだ。2017年6月で契約満了となるオランダ人指揮官は契約延長の可能性を報じられたが、改めてユナイテッドで華々しい指導者人生に終止符を打つ意向を明かしている。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が報じている。
 クラブにとっては2季ぶり、そしてファン・ハール体制のユナイテッドでは初となる欧州挑戦がいよいよスタートする。ファン・ハール監督も「CLはプレミアリーグよりも高いレベルの舞台」と気を引き締めている。
「我々は予選を突破した。このレベルでも戦えるということを証明しなければならない。しかし、どうなるかは分からない。CLはプレミアリーグよりもレベルの高い舞台だ。リーグ戦のようにはいかないだろう」
 対戦相手となるのは、かつての教え子でもある元オランダ代表MFのフィリップ・コクー監督が率いるPSVだ。敵地での第1戦はグループステージの命運を占う意味で、重要な一戦となる。指揮官は「私の考えではアウェーでドローならば良い結果と言える。もちろん勝つことを望んでいるがね。初戦では勝つことが最重要だ」と慎重な姿勢を貫いている。
 アヤックスやAZというオランダ国内のクラブでも指揮を執り、タイトルを獲得したファン・ハール監督だが、過去にはPSV監督就任に近付いたこともあるという。
「(自身の去就は)いつでもその時の状況次第だ。もう過去のこと。PSVの監督を務めることはないだろう。私はマンチェスター・ユナイテッドの仕事を終えたら引退するつもりだ。だから(PSVでの指揮は)不可能だ」
 3年契約でマンチェスターへとやって来たファン・ハール監督は、2季目となる今季も1年目に続き200億円を超える大型補強でチームの強化に乗り出した。就任当時から「チームの再建には3年はかかる」と主張し、19歳のFWアンソニー・マルシアルの獲得を「次期監督のために獲得した」と語るなど常に先を見据えている。夫人との約束で来季終了時で監督業から引退すると公言している。ユナイテッドと契約延長をする可能性も浮上している中、他クラブで指揮を執る考えはファン・ハール監督にはない。指導者人生の最後は、赤い悪魔と心に決めている様子だ。

 

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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