早くも3敗目で憔悴のスペシャル・ワン「全てが逆風だ」

相手サポーターから「降格コール」も

 昨季王者チェルシーは12日の敵地エバートン戦で1-3で完敗を喫した。第5節の段階で早くも昨季のリーグ戦と同じ3敗目という危機的状況に陥ったジョゼ・モウリーニョ監督は「みんな、私が苦しんでいるのを見て喜んでいる」と自虐的に語った。
 敵地エバートンで1?3の完敗を喫した昨季王者は今季5試合でわずか勝ち点4。1勝3敗1分けと苦しみのシーズン序盤を過ごしている。全勝中の首位マンチェスター・シティにはすでに勝ち点差11も離されている。
 試合後、 英BBCのカメラの前に立ったスペシャル・ワンは憔悴仕切っていた。目の下に深いクマが刻まれ、鋭い眼光もない。普段魅惑を放つポルトガル人は疲れ切った中年男性と化していた。
「これは私のキャリアで最悪の結果だ。自分の能力、立場にそぐわないものだ。この状況に立ち向かっている。プレッシャーは感じていない。私はこの職務にふさわしい男だ。自分以上の適任は存在するとは思わない」
 強気な言葉を並べたが、虚しく響いた。そして、リーグ2連覇という偉業の難しさを改めて実感している。
「連覇は我々の支配下にはない。成績を残すことは我々次第だが、自分たちよりも上位のクラブの結果次第でもある。今から全勝しても、他のクラブの結果次第だ。来年チャンピオンシップ(2部)を戦うことはないと誰もが確信できるはずだ」
 敵地のエバートンサポーターから「降格!降格!」という大合唱と、「お前は明日の朝にはクビになっている!」というチャントを浴びせられたモウリーニョ監督の口から、よもや2部という言葉が出てくるとは想像もできなかった。鉄壁の守備で昨季タイトルをつかんだチェルシーだが、リーグ戦全試合で2失点以上を喫している。
「今日の試合は我々の支配下に置かれていた。だが、すべてのミスが命取りになった。相手のシュート全てがゴールになった。ミスが全部ゴールになったんだ。全てが逆風でこの瞬間はネガティブなものとなっている。今朝のミーティングではコンピューターも壊れた。それが今日勝てなかった理由ではないが…」
 チームのコンピューターも故障するなど、チェルシーの歯車は完全に狂ってしまった。
「長年私を見てきた多くの人たちは、自分がこういう状況に陥っているのを見て、ハッピーな気持ちでいることも分かっている」
 自嘲の言葉が続いたスペシャル・ワンも自信喪失の様子だ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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