名将リッピが今季セリエAを展望 本命ユーベ、対抗ローマの図式は変わらず

ローマが5連覇目指すユーベに肉薄

 マルチェロ・リッピ氏は、1996年にユベントスでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)とトヨタカップ(当時)を制覇し、2006年にはイタリア代表監督としてワールドカップを制覇した。監督として史上初めてクラブと、代表の双方で世界一に輝いた名将だ。そのリッピ氏が、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューに応じ、今季のセリエAを展望した。
 まずは開幕2連敗というまさかのスタートになった昨季王者のユベントスだが、リッピ氏の目にはそれほど深刻な状況には映っていないようだ。
「最終的には、5連覇を果たすことも有力だと言 えるだろう。数人の放出は大きいものであったがね。しかし、ピルロは今年に入ってからユーベですごく長い時間をプレーしていたわけではなかった。忘れてはいけないのは、柱は健在だということだ。ブッフォン、バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ、マルキージオといった存在は新加入選手の大きな助けになるだろう。エルナネスは機能するだろうし、ディバラは素晴らしいタレントだ」
 しかし一方で、ユーベがポールポジションと言い切れるのかという問いに対しては「そうではない」という。ほぼ同列に並んで優勝を争うと見ているのはローマだ。着実な補強を行い、昨年よりもユーベに迫っているという。そして、リッピ氏はローマの永遠の王子であるフランチェスコ・トッティの起用法につい てこのような見立てをしている。
「トッティは、今でもいくつかのプレーだけで試合の景色を変えてしまうことができる選手だ。もちろん、全ての試合でプレーすることはできないだろうが、トッティは賢い選手だからそのことをよく理解しているはずだ。4試合、5試合と使わない試合を続けることは難しいだろうが、CLもあるので出場する試合を確保することに問題はないだろう」
 リッピ氏は、この2チームがリーグ優勝を争うだろうと予想している。そして、CLの舞台での活躍に対しても「どちらのチームも楽とは言えないグループに入ったが、突破することはできるだろう。特に、ユベントスがマンチェスター・シティにどのようなゲームをしてくれるかを楽しみにしたいね」と語った。

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