イタリアの守護神が偉大な記録を達成した。6日の欧州選手権予選ブルガリア戦で、GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)がイタリア代表通算150試合出場を達成した。 試合はホームにブルガリアを迎えたイタリアが手堅く1-0で勝利した。前半6分にMFダニエレ・デ・ロッシ(ローマ)がPKを決めて先制。後半にデ・ロッシとブルガリアのイリヤン・ミツァンスキ(水原三星)がピッチ上で口論になり、両者にレッドカードが提示されるアクシデントがあったものの、そのまま逃げ切った。この結果、イタリアは勝ち点を18に伸ばしてグループHで首位に浮上。アゼル バイジャンとのアウェー戦とノルウェーとのホーム戦を残す2試合で勝ち点4以上を獲得すれば本戦出場の2位以内が確定する。 この一戦で、イタリア代表の歴代最多出場記録を更新中のブッフォンは、1997年に18歳11カ月でデビューを果たして以来、GK王国といわれるイタリアのゴールを守り続けてきた。このブルガリア戦でも、前半19分にペナルティーエリアに入ったあたりから放たれたミツァンスキ(水原三星)のシュートをスーパーセーブ。37歳になった今も世界最高峰のGKであることを示している。 現役時代にユベントスで共にプレーした経験もあるアントニオ・コンテ監督は「ブッフォンは素晴らしいセーブを我々にプレゼントしてくれた。彼は、我々にとって大きな保証なんだ」と称賛。あらた めて、絶大な信頼を寄せていることを表明している。 ブッフォンは試合後に「全てのセービングは勝ち点3のためにある。我々は多くのチャンスを作り、得点を許さなかった。できるだけ失点を少なくすることがチームにとって大切なことなんだ」と語っている。 2006年のドイツ大会でワールドカップを勝ち取ったブッフォンだが、この欧州選手権とUEFAチャンピオンズリーグでは準優勝が最高。世界の頂点には立ったが、ヨーロッパの頂点に立った経験はない。キャリアの終盤に差し掛かった中で迎える来年の本大会で、その大きな夢を実現することができるだろうか。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images