迷走が招いた負のスパイラル ミラノの2クラブを苦しめる元指揮官たちの給与

湧き上がるミラノ復活待望論

 日本代表FW本田圭佑の所属するACミランと、DF長友佑都の所属するインテルが、更迭した元監督に対する多重債務に苦しんでいると、イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が特集している。
 今季欧州のカップ戦出場権を失ったミラノの2つの名門は今夏、100億円以上の補強費を投入し、強豪復活に本腰を入れている。
しかし、これまでに解雇した指揮官への支払いに追われている現状が明らかになった。ミランは2014年1月から6月まで指揮を執ったクラレンス・セードルフ元監督に対して、240万ユーロ(約3億1700万円)、昨季チームを率いたフィリ ッポ・インザーギ前監督に150万ユーロ(約2億円)の年俸をいまだに支払い続けている。
 シニシャ・ミハイロビッチ新監督には年俸200万ユーロ(約2億6500万円)で、ミランは現在監督3人の給料を税引き後で計590万ユーロ(約7億8000万円)を支払っている状態だ。
 インテルはロベルト・マンチーニ監督に400万ユーロ(約5億3000万円)という年俸を支払っている。順位やタイトルに応じて成功報酬が上乗せされることになっており、さらに給料アップの可能性もある。だが、ワルテル・マッツァーリ前監督に対しても350万ユーロ(約4億6000万円)の給与支払い義務が残されている。インテルは2人に対し、計750万ユーロ(約9億9000万円)を支払っていることになる。
 昨季不振に陥ったミラノの両名門の苦 境を如実に表す、元指揮官に対する多重債務。だが、バイエルン・ミュンヘンのカール・ハインツ・ルンメニゲCEOが両名門の復活を期待する発言をするなど、欧州サッカー界もミラノ復活を待望している。今季こそ監督解任と無縁のシーズンを送ってもらいたいものだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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