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王者ユベントスの5連覇への死角 中盤に不在となった「カッティヴィスタ」とは
伊紙分析 開幕2連敗の理由はバイエルンに移籍したチリ代表MFビダル
セリエA開幕からよもやの2連敗を喫したユベントスだが、絶対王者の史上初となる開幕連敗スタートについてイタリアメディアは様々な分析をしている。その中で、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、その要因をイタリアサッカーらしい視点で評している。
ユベントスは、この夏の移籍市場でイタリア代表MFアンドレア・ピルロやアルゼンチン代表FWカルロス・テベスといったゲームを決定づけることができる濃色を持った選手を放出した。しかし、ガゼッタ紙はその2選手よりも、チリ代表MFアルトゥーロ・ビダルの放出に大きな原因を求めている。その存在価値は、中盤でプロフェッショナルな汚いプレーをすることにあるとしている。
イタリアにはDF、MF、FWといったポジションの中で、さらに位置取りや選手の個性によってさまざまな呼び方がある。例えばMFの中で日本では「司令塔」や「ゲームメーカー」と呼ばれる選手も、ACミランの日本代表FW本田圭佑のようなトップ下で攻撃をコントロールするタイプの選手は「トレクアルティスタ」と呼ばれる。これは、ピッチ上のラスト4分の3のエリアで仕事をする選手という意味だ。逆に、ピルロのように深い位置からゲームメークをする選手は「レジスタ」と呼ばれる。
そして、中盤で相手に激しく当たるタイプの選手は「インコントリスタ」と呼ばれる。これは「接触する」とか、「衝突する」という意味の単語が語源になった言葉だ。しかし、ガゼッタ紙はビダルのような役回りを「カッティヴィスタ」と表現している。これは、単純に直訳すると“悪いことをする人間”になる。つまり、相手のカウンターの芽をファウルで摘んでしまうだとか、相手の中心選手に厳しく当たってイライラさせてしまうような“プロフェッショナルなヒール”が、現在のユーベには不在だと評している。