日本代表「アジア杯ベスト布陣」を金田喜稔が選出 「勝ちにいくなら香川、乾も…」

FW大迫が不動の地位を築いているが、レギュラーとサブの差が大きい【写真:Getty Images】
FW大迫が不動の地位を築いているが、レギュラーとサブの差が大きい【写真:Getty Images】

メンバー選考の最大のポイントは“不動の1トップ”大迫の控えか

 そして最もレギュラーとサブの差が大きいと言えるのが、大迫が不動の地位を築く1トップだ。キルギス戦では杉本健勇(セレッソ大阪)が務めたが、後方からの縦パスが足もとに収まらず、攻撃がノッキングを起こしてしまっていた。

 現状、2列目トリオの圧倒的な攻撃力を引き出しているのは、大迫の卓越したポストワークだ。彼の足もとに確実に収まるという安心感が、攻撃に連動性を生み出す。まさに生命線と言える存在で、現在のチーム構成では大迫に負傷などがあった場合は窮地に陥る可能性がある。

 個人的には、代役候補の一番手に小林悠(川崎フロンターレ)を推したい。現在は負傷しているものの、コンディションに問題がなければ2列目3人とのプレースタイルの相性を考えると、最も適した人材と言えそうだ。それ以外では、プレミアリーグの舞台で揉まれている武藤嘉紀(ニューカッスル)、岡崎慎司(レスター)も安定したポストワークが期待でき、森保監督の頭の中にも有力な候補者として入っているのではないだろうか。

 また現状の攻撃陣には「高さ」がないため、パワープレーなども視野に入れれば今回招集しながら負傷で辞退となった鈴木優磨(鹿島アントラーズ)を、コンディションに問題がなければ呼ぶかもしれないし、もちろんパワープレー要員としてなら、高さのある杉本も候補者の一人となる。

 とにかくアジアカップは、過去の大会を見てもスペースを消して守備を固める相手や、徹底的にシンプルなカウンターを狙う策に手を焼き、ギリギリの戦いを強いられてきた。年内5試合の結果を受けて、森保監督がどのような攻撃オプションを持とうと考えるのかが、メンバー選考で最も注目を集める部分となりそうだ。

(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)



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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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