香川真司はトップ下「3番手以下」 厳しい評価と創造性乏しきドルトムントの現実

4-4-2への布陣変更で威力を発揮したサイドアタック

 フランクフルト戦でシステム変更したドルトムントのチームパフォーマンスは、依然低調なものだった。4バックはそれなりの強度だったとしても、ダブルボランチに入ったデラネイとダフードは局面打開力に乏しく、ボールを前へ進められなかった。ロイスは前線中央で浮き、1トップのフィリップからは快音が聞かれない。そして今試合でチャンスを与えられたラーセンは左ウイングで先発したが好機を築けず、後半13分に交代している。

 それでもCKからDFのディアロが先制点を押し込み、フランクフルトFWクリスティアン・ハーラーに同点ゴールを決められた後に、ラーセンに代わって出場したジェイドン・サンチョがチャンスを生み出して、後半27分にヴォルフが強烈なキャノンシュートを突き刺して勝ち越してからはチーム状態が安定した。

 ファブレ監督はサンチョを投入し、後半22分にフィリップに代えてアルカセルをピッチへ送り出してから、システムを4-4-2へ変更している。ここで効力を発揮したのは中央エリアでの局面打開ではなく、サイドバックとサイドMFの前への推進力を駆使したサイドアタックだった。

 前述したヴォルフのゴールは、サンチョが右サイドから独力での打開を仕掛けてファーサイドへクロスを送った形。そして後半43分に生まれたアルカセルのドルトムント初ゴールは、CKの流れからの右サイドの崩しで、サンチョ、ヴォルフ、ピスチェク、シュメルツァーらが積極的にアタックを仕掛けたことでドルトムントの攻撃が一気に活性化した。

島崎英純

1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。

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