これぞスペシャル・ワンの流儀、準Vメダルをスタンドに投げ込む
「メダルはいらない」
昨季のプレミア王者チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は2日、FAカップ王者と激突するコミュニティー・シールドでアーセナルに0-1で敗北した。お得意様としていたガナーズ相手に痛恨の黒星を喫し、試合後には準優勝の記念メダルを観衆に投げ込む一幕もあった。
スペシャル・ワンが完璧な優位性を保持していたアーセナルに屈した。エースFWディエゴ・コスタを故障で欠く以外は、ほぼベストメンバーだったチェルシーだが、前半22分にアーセナルのイングランド代表FWアレックス・オックスレイド=チェンバレンに先制弾を許した。これがモウリーニョ監督率いるチェルシ ー相手には2007年シーズン以来となる506分ぶりのゴールだった。
「我々が最高のチームだった。よりチャンスを手にし、ポゼッションでもボールをコントロールした。アーセナルは10人で守ってきた。自陣に全員が引き、いい組織力を見せた。おめでとうといいたい」
この一撃から挽回できずに敗戦のホイッスルを聴いた指揮官は試合後、地元テレビ局「BTスポーツ」でそう語った。アーセナルの選手全員と握手を交わしながらも、敵将アーセン・ベンゲル監督とは握手をせず。プレミア名物とも言える敵対関係を明確にした指揮官は、右手でスタンドの観衆に準優勝の記念メダルを投げ込んだ。
「私はメダルを欲しくないんだ。勝った時もキープしないのだから、負けた時のものは想像してくれ。 子供がそこにいた。アーセナルファンだった。彼にはいい記念になるだろう。彼のチームが勝利して、敗者からメダルを手に入れたのだからね」
“スペシャル・ワン”は、記念のメダルをゲットしたガナーズファンを祝福。無類の負けず嫌いで有名なポルトガル人指揮官は自身の流儀を披露した。今季初タイトルを逃しながらも精神的な余裕を示そうとしていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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