レアルの術中 ファン・ハール監督がデ・ヘア放出決断へ

出来過ぎたシナリオ

 ユナイテッドは過去にデイビッド・ベッカム氏やクリスティアーノ・ロナウドといった、クラブ栄光の背番号「7」を背負ったスター選手をレアルに売却した例もある。だが、エド・ウッドワードCEOは、デ・ヘアを欧州内での強力なライバルとなり得るクラブへ売却することに難色を示しているという。
 ファン・ハール監督は自身の哲学に合わなければ、選手の放出もいとわない厳格な性格で知られている。元スペイン代表GKビクトール・バルデスは、U-21チームでのプレーを拒否したとして放出を明言された。欧州屈指の名手に成長したデ・ヘアに関しては、年俸交渉でレアル・マドリードと関係が一時悪化していたスペイン代表DFセルヒオ・ラモスとのトレードでの交渉を進めた。一時はその話が進んだが、ラモスはユナイテッドからのオファーを切り札に、大幅昇給を勝ち取って残留してしまった。ユナイテッドは結果的にはダシに使われた格好となっていた。
 デ・ヘアは2016年6月に契約満了となるために、このタイミングで放出しなければ移籍金ゼロで手放すことになる。モチベーション低下に伴うパフォーマンス悪化の兆候を見せるデ・ヘア。鉄壁守護神慰留に強烈な執念を示してきたファン・ハール監督も、ついに心が折れかけているという。
 DFラインの要であるラモスを慰留し、デ・ヘアをも手中に収めることができれば、レアルにとっては今夏の移籍市場で最高のシナリオとなる。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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