“バルサ化”する神戸と大物助っ人の存在感 実戦で磨かれる日本人選手の技術と感性

イニエスタ(左)、ポドルスキ(右)【写真:Getty Images】
イニエスタ(左)、ポドルスキ(右)【写真:Getty Images】

左のイニエスタ、右のポドルスキが巧みにゲームをコントロール

 アンドレス・イニエスタとルーカス・ポドルスキが揃ってからのヴィッセル神戸は、確かにバルセロナに少し似てきている。左にイニエスタ、右にポドルスキがいるので、攻め込むのかやり直すのかの判断が両方のサイドでできている。藤田直之が中央で二人を連結していて、この3人の関係はかなりスムーズだ。

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 一方、守備面ではまだバルセロナとは似ても似つかぬ状況ではある。一時期、ヨーロッパでもバルセロナを模倣するチームがあった。だいたいパスはつながるようになるのだが、その割に点が取れず、自分たちにはリオネル・メッシがいないと気づく。

 さらに、相手のカウンターを初動で潰す、カウンターを食らってもなんとか回避するという守備力を身につけることができず、多くのケースは失敗に終わった。神戸がバルセロナ路線を進めるのなら、得点力と守備力がポイントになりそうだ。

 主に右ウイングでプレーするポドルスキの側には、インサイドハーフの郷家友太がいる。19歳の郷家はポドルスキの側で、いろんなことを学んでいる最中だ。どういう状況でどうプレーすべきか、実戦のなかでポドルスキに鍛えられているように見える。

 もっと言えば、“こき使われている”感さえある。ポドルスキの代わりにスペースに飛び出したり、守備を肩代わりしてあげたり。柏レイソルでプレーしていた頃の酒井宏樹(現マルセイユ)も、レアンドロ・ドミンゲス(現横浜FC)の近くでプレーすることで一気に伸びた。若い郷家にとって大きなチャンスだ。

 左のイニエスタと古橋享梧の関係は右とは対照的。ポドルスキがムチならイニエスタはアメだ。古橋の武器であるスピードを生かそうとしている。少し無理めなパスも出しているが、走らせてやろう、良いところを引き出してあげようという心遣いが見られる。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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