「僕を守って!」 チェルシーのエースが危険なタックル連発に悲痛な訴え

アザールは被害を主張

 チェルシーのMFエデン・アザールは昨季リーグMVP、記者協会選定MVP、そして選手協会MVPと個人賞を総なめにするなど、名実ともにプレミアリーグ最高の選手となった。圧倒的なボールテクニックとスピード、得点力を兼ね備えるエースは相手DFからファウル覚悟の危険なタックルを見舞われることも珍しくない。「僕を守って!」と審判団に対して切実な願いを吐露している。英地元紙「ロンドン・イブニング・スタンダード」が報じた。
「もし審判が、僕を守ってくれることができるなら、僕にとってはそのほうがいい。彼らは僕が何度も蹴られているのを知っているはずだ。僕は審判に守ってほしい」
 アザールはこう訴えかけた。フィジカルコンタクトの激しさもプレミアの特徴であり、魅力の1つではある。だが、レフェリーがファウルをほとんど取らず、限度を超えた蛮行も散見されるのも事実だ。昨年12月のストーク戦で、アザールはDFフィル・バーズリーからタッチライン際で激しいスライディングタックルを受けた。バーズリーのタックルは、スピードに乗ったアザールから完全に遅れており、斜め後ろから右足を刈り取るような非常に危険な行為だった。アザールが「クレイジー」と振り返るプレーに対しては、イエローカードが提示されたのみ。試合後、ジョゼ・モウリーニョ監督も判定に怒りをあらわにしていた。
 これはほんの一例で、チェルシーで背番号「10」を背負うベルギー代表は試合中に何度も激しいタックルを浴びているという。昨季はリーグ戦全38試合出場を成し遂げているが、満身創痍(そうい)の中で戦い続けていたようだ。
 
「何度も試合の後に痛みを感じることがあった。そのたびに炎症を抑える薬を使わなければならなかった。僕はボールを持ってプレーするのが好きだ、でもボールを持てば何度も蹴られた。痛みを感じても、僕はいつでも笑顔でいることを心がけていたよ。僕らには何人ものフィジオ(理学療法士)がいる。僕らは3、4日に1試合を行わなければいけないから、彼らの存在が非常に大切なんだ」
 24歳の若さで、クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシといった世界のトップ選手に近づくアザール。ファウル紛いのタックルを受けることはエースの宿命だが、アザール以外にもライバルクラブのドリブラーも激しく削られている。アザールはレフェリーに強く保護を要求していた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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