トップ下獲得を狙うユベントスの陰に、新契約を結んだスポンサーの存在

目玉選手を欲するスポンサーサイド

 ユベントスは、今夏の移籍市場でトップ下の獲得が最重要課題だと伝えられてきた。だが、その補強戦略の陰には、大型契約を結んだスポンサーの意向が存在するという。イタリアの移籍情報サイト「カルチョメルカート・コム」が伝えている。
 ユーベは、ナイキとのユニホームサプライヤー契約を満了し、新シーズンからアディダスと新たに契約を結んだ。その契約総額は、6シーズンで1億4000万ユーロ(約190億円)と言われ、1年あたりの金額ではナイキ時代からの約1.5倍ほどに膨れ上がった。
 一方でアディダスにとっては、ユベントス1年目の今季、 ユニホームを売るための目玉選手が欲しい状況だ。そうした中でクラブはイタリア代表MFアンドレア・ピルロと、アルゼンチン代表FWカルロス・テベスを放出。特に、テベスがつけていた「10番」を背負う選手は、ユニホームの売り上げを考慮しても重要な存在となる。
 そこに来てのマッシミリアーノ・アッレグリ監督のトップ下獲得熱望もあり、クラブ側と、スポンサー側の「補強ポイント」は合致。近年は超ビッグネームというよりも、チームの中で堅実に役割を果たせる選手をメンバーに加えてきた。だが、この夏から方針が変わったような動きを見せている。その一因にはアディダスと結んだ大型契約があるという。

ファーストチョイスはオスカル

 ユベントスの獲得候補に挙がっている トップ下の選手は、チェルシーのブラジル代表オスカル、レアル・マドリードのスペイン代表イスコがトップ2と見られてきた。しかし、ドイツ代表メスト・エジル、マリオ・ゲッツェ、ユリアン・ドラクスラーの名前も挙がっている。
 この5選手の中で、イスコとゲッツェは、ナイキの契約選手であり、アディダスサイドは同社の契約選手でもある残りの3人からの獲得を望んでいるという。チリ代表アルトゥーロ・ビダルのバイエルン・ミュンヘン行きで軍資金を確保しただけに、より強気な交渉に臨む可能性も指摘されている。元よりアッレグリ監督の熱望するオスカルがファーストチョイスになるのは間違いないところだが、それに加えて新スポンサーからの要望も考慮に入れる必要がある。マロッタGMに は大きなプレッシャーが掛かっている。
 新ユニホームはゼブラカラーの伝統を受け継ぎつつ、アディダスの象徴である肩の“スリーライン”が新シーズンにおけるポイントの一つ。その存在感は、ピッチの上だけには留まらないようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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