なでしこに惜敗した英国女子が延長戦でドイツ撃破 号泣から歓喜の3位  

三位決定戦延長戦で1ー0勝利。女子同国サッカー史上初のW杯メダル

 女子ワールドカップカナダ大会は4日(日本時間5日)、エドモントン・コモンウェルススタジアムで3位決定戦が行われ、準決勝でなでしこジャパンに敗れたイングランド代表が延長戦までもつれ込んだドイツとの激闘を1-0で制した。イングランド女子サッカー史上最高位となるW杯3位の座を手にした。
 FIFAランク1位ドイツは今大会6得点でゴールランキングでトップに立つFWシャシッチがスタメン出場を果たした。イングランドは、準決勝の日本戦後半アディショナルタイムにオウンゴールがあった悲劇のヒロイン、DFバセットも3バックの中央でスタメン出場した。
 立ち上がりから猛攻を仕掛けるドイツに対してイングランドは必死に守備を見せた。GKバーズリーのファインセーブやDFホートンのゴールライン上でのクリアなどでドイツに得点を許さずに耐えた。序盤のピンチを凌いだイングランドがペースをつかみ、セットプレーを武器にドイツゴールに迫る場面を作ったが、大会最優秀GK候補に選出されている守護神アンゲラーを中心にした守備陣を崩し切れずスコアレスでハーフタイムを迎えた。
 後半もハーフタイムにメンバーを1人変更したドイツが攻勢に出る立ち上がりになったが、ドイツMFデブリッツの強烈なボレーシュートをGKバーズリーが弾き出すなどゼロで耐えてゲームを進めた。20本以上のシュートを放ちながらゴールを奪えないドイツは、後半28分にシャシッチを下げ大会5得点でランキング2位につけるFWミッターグをピッチに送り込んだ。ミッターグは今大会で2位となる15回の決定機を演出。なでしこジャパンMF宮間あやの今大会大会最多22回に次ぐ、チャンスメーカーだが、最後までゴールを割ることはできずに試合は延長戦にもつれ込んだ
 延長戦に入っても激闘が続く中、延長後半立ち上がり早々にイングランドにPKのチャンスが訪れた。日本戦でもキッカーを務めたMFウィリアムズが決めて、同3分にイングランドが1-0と先制に成功した。FIFAランク1位の意地に掛けてドイツは猛反撃を見せたが、イングランドは自陣に多くの選手を戻して守りを固めて逃げ切った
 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、イングランドの選手たちは歓喜を爆発させた。準決勝日本戦では勢に試合を進めながら、後半ロスタイムにMF川澄のFW大儀見へのラストパスをバセットがクリアし切れずにオウンゴールとなった。地元メディアに「最も残酷な敗戦」と称されたショッキングな敗北に、選手、監督も泣き濡れたが、大きな歓喜が訪れた。
 
 同国にとって女子W杯で初のメダル獲得となった。

【了】

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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