本田圭佑の勝負強さを生むものとは? 城彰二も称賛、“持ってる男”の周到な準備
【98年W杯日本代表・城彰二の視点】十分に勝てたセネガル戦「もったいない試合だった」
日本代表にとって“もったいない試合”、それが24日のセネガル戦が終わった直後の率直な感想だ。格上の相手に二度リードを奪われながら二度追いついた。2-2という結果は確かに善戦ではあるけれど、ゲーム全体の流れを踏まえれば十分に勝てた試合だと感じる。
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開始11分にGK川島永嗣のミスから早々に1点を失う展開となったのは、日本にとって大きな誤算だったが、セネガルのコンディションがあまり良くなく、また彼らがシステムを変えてきたことが逆に日本にとってプラスに働いた。第1戦のポーランド戦の4-4-2ではなく4-3-3にしてきたので、日本は1ボランチの両脇のスペースを上手く使うことができ、十分に攻撃を仕掛けることができていた。
日本の流動的なポジションチェンジにセネガル側が少し戸惑っていたところもあり、得点シーン以外にも後半に大迫勇也、乾貴士に決定的な場面が訪れた。より多くのゴールを奪うチャンスは、間違いなく存在していたと思う。
一方の守備も、初戦でコロンビアに2-1と勝利したことが自信になっているのか、選手同士がグループで戦う意識がより高まっていた。一人が寄せて一人がカバーに入る、プレスバックして挟み込むなど、連動した動きの精度は間違いなく上がっている。
そうしたなか、セネガル戦で印象に残った選手として、真っ先に名前を挙げるなら柴崎岳だろう。守備面でも2ボランチとして長谷部誠とコンビを組みながら自らに課せられたタスクをしっかりとこなし、攻撃時にはボールを散らしながらゲームメイクで存在感を示していた。特に柴崎から出る縦パスは、セネガル相手にかなり効果的だったと思う。
そしてもう一人、途中出場の本田圭佑も、出場からわずか6分での同点ゴールと、強烈なインパクトを放った。
パフォーマンス自体は全盛期に比べれば落ちている。しかし、前線にタメが欲しい時間帯に投入されて、その役割をしっかりとこなし、訪れたワンチャンスできっちりと決めきる。本田の真骨頂と言える勝負強さはさすがだなと、改めて感じさせた。
あのシュートもゴール前でフリーで打ったため、一見すると簡単に映るかもしれないが、乾からのグラウンダーのクロスはボールが弾んでいた。浮いている状態のボールを普通に打つと、ゴール上にふかしてしまう可能性も高まるが、本田はしっかりと抑えるようにして合わせ、ゴール枠内にカバーに入っていた相手DFが足や頭でクリアできない高さを冷静に狙っていた。