W杯で偽造チケットが出回る! 精巧な作りで日本人も多数被害

 4万円で買ったチケットは、文字通り、ただの紙くずになった。

 日本人サポーターが偽造チケットを高額な値段で購入させられ、入場できないトラブルが相次いでいる。これは“サッカーの聖地”マラカナンスタジアムで行われた決勝トーナメント1回戦、コロンビアvsウルグアイで実際に起こった話だ。

 どうしてもマラカナンに入ってみたい。W杯の試合を生で目撃したい。自国の代表チームをスタジアムで応援したい。そんなファン、サポーターの心理を利用した悪質な犯罪行為だ。

 W杯の開幕戦では、50人が偽造チケットで入場できなかったと地元新聞で報じられた。その後も同様の被害が後を絶たないのは、チケットが極めて精巧な作りになっているからだ。単なるカラーコピーではなく、紙の厚さも、プリントも、「簡単に見分けがつきません」(日本人ファン)。

FIFAがチケット転売行為を禁ずるも……

 日本人ファンはコロンビアvsウルグアイの定価330ドルのチケットを400ドルで購入した。偽造チケットが出回っていることは知っていたし、警戒もしていたという。だから、チケットも実際に触って見せてもらった。

 この日本人ファンはブラジルに長期滞在し、何試合かのチケットを現地で調達している。これまでは偽造チケットをつかまされないように、3つのルールを課していた。

①チケットだけを売る人からは買わず、一緒に入ることのできる人から買う。

ICチップの影を確認する。

③できれば売る本人の名前と、チケットに記されている名前が一致しているかを確認する。

 ブラジルvsコロンビアでも、③の条件以外は満たしていた。チケットを売ってくれたコロンビア人も試合を見に行くという。ICチップの影らしきものあった。だが、2人とも入場できなかった。つまり、日本人に売ってくれたコロンビア人も、偽造チケットをつかまされていたのだ。2人で途方に暮れて別れた。

 スタジアムの最寄り駅などでは「I NEED TICKET(チケットを譲って下さい)」というメッセージを掲げたファンがたくさんいる。FIFAはチケットの転売行為を禁止しているが、チケットが欲しい人にとってできる手段はそう多くない。FIFAから「正規の方法で購入してほしい」と呼びかけられても、「それができなかったからこうしいるんだ」というのがファンの声だろう。

 偽造チケットを買ったファンの多くは、スタジアムの入場ゲートで止められて、そのことに気づく。この時点で、チケットを売った人間を探し出すのは困難だ。

「次回の教訓としてハンディブラックライトを持参します」(日本人ファン)

 これ以上の被害でないことを祈るばかりだ。

【了】

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

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※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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