メッシのユニフォームを脱がせて止めるも“ノーファウル” フランス人MFの珍守備が波紋
国王杯バレンシア戦でメッシの突破をコクランが食い止め、ユニフォームが脱げる珍事
バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシは、異次元のテクニックと加速で圧倒的な突破力を誇る。マーカーは世界屈指の名手を食い止めるために、反則を含めてありとあらゆる手段を講じるが、8日に行われたスペイン国王杯準決勝第2戦のバレンシア戦(2-0)で、衝撃の光景が広がった。
前半37分だった。ペナルティーエリア手前でボールを受けたメッシはドリブルを開始しようとしたが、そこにフランスの“闘犬”が立ちはだかる。1月にアーセナルから加入したMFフランシス・コクランが背後から襲いかかると、世界最高の名手のユニフォームを引っ張りながら必死に食い止める。その動きはエスカレートし、たくし上げたユニフォームが脱げかかると、身動きが取れなくなったメッシは前が見えず、両手を上げるしかなかった。
アイスホッケーの世界では、乱闘時に相手のユニフォームをたくし上げるのはよく見る光景だが、サッカーでは珍しいシーンに。だが不思議にも、コクランはお咎めなしだった。スペイン紙「マルカ」も、「コクランはメッシのユニフォームを脱がせたが、主審はファウルすら与えず」と蛮行を紹介。ピッチ上の反則行為にもかかわらず、コクランには警告はもちろん、ファウルすら与えられなかったことを紹介している。
その直前にはバレンシアGKハウメ・ドメネクが、ロングボールの競り合いでメッシの後頭部に飛び膝蹴りを食らわせながら、パンチングでセーブするシーンもあったが、これもファウルにならず。記事では「おかしなことに、審判のウンディアノ・マレンコはファウルすら与えなかった」と、メッシに対するファウルを見逃した主審のジャッジを厳しく批判していた。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images