ペルー代表の“仇敵”が英雄に… 36年ぶりW杯出場に導いた指揮官の数奇な運命

暗黒時代を呼び込む一撃を決めた男が…

 そして、ペルーを率いるガレカ監督は、自らが背負っていた大きな十字架から解放されることになった。このアルゼンチン人指揮官は、1985年に行われたW杯南米予選にアルゼンチン代表の一員として出場していた。ペルーが勝てばアルゼンチンを逆転できる状況で迎えた最終節での直接対決、ペルーを敗退に追い込む値千金の同点ゴールをマークしていたのが、このガレカ監督だった。

 ぎりぎりのところで予選突破の夢を絶たれたペルーはそれ以降、8大会連続予選敗退という暗黒時代を突き進んでいたが、ついにその受難の時代も終焉を迎えた。

 大手放送局「CNN」のスペイン語版は、「ペルーの最後のW杯は1982年。1985年にアルゼンチンのリカルド・ガレカが86年メキシコ大会出場を妨げる“死刑執行人”となったが、同一人物のガレカが監督としてペルーをW杯に連れ戻した」と、このエピソードを報じている。

 ロシアW杯出場のラスト32カ国目の決定の裏には、あまりに劇的なドラマがあった。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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