A代表入り期待の23歳は「抜きん出ている」 驚異の10戦8発…代表OBが絶賛する「ランニングの質」 

広島のFW鈴木章斗【写真:柳瀬心祐】
広島のFW鈴木章斗【写真:柳瀬心祐】

【専門家の目|太田宏介】鈴木章斗が京都戦で今季8点目をマーク

 サンフレッチェ広島のFW鈴木章斗は10月17日、J1リーグ第10節・京都サンガF.C.戦に先発出場し1ゴールを挙げて3-0の勝利に貢献した。鈴木はこれで今季8点目とし、得点ランキング2位タイに。日本代表OBの太田宏介氏が23歳のFWが見せたゴールの凄みを語るとともに、好調の要因を分析した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 鈴木章斗がこの日も決めた。1点リードの後半33分、アタッキングサードでボールを奪ったFW浅野拓磨からのパスを右サイドで受けると、鈴木はボックスへ侵入。大きな切り返しで最初のDFをはがすと、シュートブロックに来たもう1人もキックフェイントでかわし、最後は左足でネットを揺らした。

 太田氏は「ファーストタッチが大きいと思った」としつつも、鈴木の圧巻ゴールのポイントはステップワークだけに限らないとの見方を示す。

「まず、浅野選手からパスを受けてゴールへ向かう角度でドリブル侵入していく選択肢を持っていたこと、ストライカーとして迷わず仕掛けた姿勢が凄いですよね。あのようにボックスに侵入したことで、ディフェンダーとしては鈴木選手がシュート打つと瞬時に判断し、スライディングをしないと防げない、身体を投げ出さざるを得ない状況に持っていかされました。

 もちろん、そのあとの相手の重心の見方やもう1人のディフェンダーへの予測も素晴らしく、冷静な判断ができる落ち着きという点ではほかのJリーガーと比べても抜きん出ていると思いますね」

 まだ10節を終えた段階にもかかわらず、2024年シーズンにマークした自身のリーグ戦キャリアハイとなる10ゴールにあと2つと迫った鈴木。更新は時間の問題で、注目はゴール数をどこまで伸ばせるかだろう。

 では、何が鈴木のハイペースな得点力を支えているのか。太田氏は個人とチームそれぞれの観点でこう分析する。

「鈴木選手は得点のバリエーションがもともと多いストライカーでしたが、広島に移籍してからオフ・ザ・ボールのランニングの質もすごく高くなってきたなと感じています。

 そんななか、相手との駆け引きで背後を取った際にボールを出せるパサーや両サイドから質のいいクロスを上げられる選手がチームに揃っていて、広島にハマっているという印象を受けます。自分のスタイルに合う、自分の良さをより引き出してくれるチームを選択できましたね」

 J1得点王の獲得、待望の声が上がるA代表入りへ――。鈴木の活躍にますます期待が高まる。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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