33歳伊東純也は「より怖い選手になる」 代表OBが唸った凄み…ベッカムと重なる「1個分」の意識

【専門家の目|太田宏介】伊東純也がピンポイントクロスで存在感
ベルギー1部KRCゲンクの日本代表MF伊東純也は現地時間10月10日、リーグ戦第8節のKVコルトレイク戦に先発出場し、3-0の勝利に貢献した。代表帰りのピッチで数字に残る結果こそ残せなかったものの、ピンポイントクロスを披露した伊東。現役時代にキックの名手として名を馳せた元日本代表OBの太田宏介氏が、今回のクロスの凄みについて解説した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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伊東が魅せたのは2-0のリードで迎えた後半5分。右サイドの大外でボールを持つと、ダブルチームで対応に来た相手に仕掛けつつ、最後は縦へのドリブルで抜き切る前にクロスを上げた。ボールはゴール前のFWラフィウ・ドゥロシンミにピタリと合うも、相手GKが足に当てて外にかき出した。
今回の高精度ピンポイントクロスについて、太田氏は「ここに上げること自体が非常に難しいし、相手もディフェンスの枚数も揃っているので普通チャンスになるようなシーンではない」と脱帽。「本当に何もないところから相手に仕掛けてチャンスメイクできる」と伊東の能力を称えた。
そんななか、太田氏が特に注目したのがクロスを上げる直前の“外側(右)に外す”動きだった。
「例えば、佐藤由紀彦さんやデイビッド・ベッカムはクロス上げる時に、相手より必ず1個分以上は離したところにボール置くんです。現役時代には僕も、特別足が速かったわけではないのでクロスを上げる際はすごく意識していたポイントでした。
クロスの蹴り方も右足親指の付け根あたりで擦り上げるように蹴っていたため、回転がしっかりかかって上から下に落ちてくる。こうした球種を蹴れる人はあまり多くはないです。
加えて、ボールを少し外に置くことで身体の遠心力を上手く使って蹴ることができ、決して強くないインパクトで質の高いボールを供給することが可能になります。力に頼ってしまうと、どうしてもボールを吹かしてしまいがちになるんです」
伊東といえば先日、代表戦で右サイドバックとしてもプレーしたことが話題になった。高精度クロスという武器があるのであれば、今後、新境地開拓という未来はあるのか。太田氏はこの疑問に否定的な見解を示しつつ、さらなる飛躍への期待を語る。
「これまでの日本サッカー界だと、快速の選手には30歳を過ぎたあたりからだいぶその能力が落ちてくる印象がありました。しかし、環境やトレーニングの進化もあって今では身体能力を落とさず、むしろ研ぎ澄まされている選手が増えている。伊東選手も33歳とはいえ、落ちそうな気配はまだまだありません。
なので、ポジションを下げる必要はないのかと。いろんな経験を積んで、攻撃参加のタイミングやクロスの技術の精度も上がっていますから、伊東選手の場合、ここからより怖い選手になると思います」
高精度クロスが示した未来。“伊東純也2.0”がベールを脱ぎつつあるようだ。





















