代表ウィーク改革に見えたリスク「壊れてしまう」 半減した4→2…森保監督も懸念「きつくなっている」

国際Aマッチウィーク改革の恩恵と弊害
国際サッカー連盟(FIFA)は2026年以降、9月と10月の国際Aマッチウィークを1つに統合し、2週間弱の「大型代表ウィーク」へと変更した。果たしてこれはどんなメリットとデメリットを生んだのか。
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メリットはいくつもある。例えばヨーロッパから帰国する選手などにとっては、移動回数が減って時差ボケを含む身体への負担が減った。各国のリーグにしても、スタートして中断、再開しては中断という、9月から11月にかけて作りにくかった盛り上がりを改善することができただろう。
2025年までは1回のインターナショナルマッチウィークは原則として9日。つまり9月と10月で18日間チームを離れていたのが、今回の変更で16日間になっており、クラブ側としては選手をリリースする期間が減ったということになる。
一方で、代表チームの強化という点を考えるとどうだろうか。
ヨーロッパで活躍する選手が増えた分、日本サッカー協会はさまざまな方策を取り、帰国を支えてきた。一番分かりやすいのはチャーター便を手配して選手を移動させること。またクラブ側と細かく調整し、ヨーロッパでの試合が終わると分刻みで選手を移動させて素早い帰国を実現していた。
帰国したのちもシェフの労働時間を伸ばし、時差ボケに弱い選手はヨーロッパと同じ時間に食事ができるよう、1日に4回食事を提供することにした。練習方法も工夫され、帰国したばかりの選手を入れて練習時間の冒頭15分間で先発メンバーや戦術を確認し、その後はコンディションに応じて残りのトレーニングを行うようにした。
そういう工夫があって、日本代表はインターナショナルマッチウィークの最初の試合の前、2回の全体練習が行えるようになっていた。新型コロナウイルスの影響があったころは試合前日にやっとメンバーが揃い、そこで初めてコンディション確認ができた、などということもあったのだ。
そこで、去年と今年のスケジュールを詳しく見ていこう。2025年はどんなスケジュールだったか振り返る。2025年10月、日本はパラグアイ、ブラジルと親善試合を行った。
6日 トレーニング開始(7人到着)
7日 トレーニング(14人到着)
8日 トレーニング◎
9日 移動・前日公式練習
10日 パラグアイ戦
11日 移動・トレーニング(試合出場選手は別メニュー組あり)
12日 トレーニング◎
13日 前日公式練習
14日 ブラジル戦
11月はガーナ、ボリビアと親善試合を行っている。
10日 トレーニング開始(3人到着・すでに3人帰国済み)
11日 トレーニング(17人到着)
12日 トレーニング◎
13日 移動・前日公式練習
14日 ガーナ戦
15日 移動・トレーニング(試合出場選手は別メニュー組あり)
16日 トレーニング◎
17日 前日公式練習
18日 ボリビア戦
つまりこの「◎」がついた4日間、チームは全体で戦術練習をすることができた。前日公式練習は1時間と決められており、主にセットプレーの確認が行われるため「◎」には含めていない。
では今回はどうだったか。
21日 トレーニング開始(6人到着・すでに5人帰国済み)
22日 トレーニング(15人到着)
23日 移動・前日練習
24日 ウルグアイ戦
25日 移動・トレーニング(試合出場選手は別メニュー組あり)
26日 トレーニング◎
27日 前日公式練習
28日 ベネズエラ戦
29日 移動・トレーニング(試合出場選手は別メニュー組あり)
30日 前日公式練習
1日 エクアドル戦
2日 オフ
3日 トレーニング◎
4日 前日公式練習
5日 ニュージーランド戦
10月2日は選手の疲労を考えオフになっているが、もしトレーニングがあったとしても試合出場組はコンディション調整になったと思われるので、全体練習はなかっただろう。つまり「◎」は2日だけ。これまでに比べると全体トレーニングができる時間は半分に減ってしまう。
森保一監督はオフの必要性をこう考えていた。
「選手たちはシーズンが始まって連戦しています。さらに代表でもいろんなプレッシャーであったりストレスがかかるような、連戦を4試合しなければいけないため、心身ともに疲労がくるのかなと思います。どれだけメンタル的にもフィジカル的にも負担を軽減して4試合戦うか考えていかなければ選手たちは壊れてしまう」
疲労を考慮しつつ、トレーニング時間不足を解決するために、試合数を減らすことが考えられる。例えば1試合減らすだけで全体での練習日を3日増やすことができる。だがそうすれば、実戦で経験を積みコンビネーションを作る機会は減ることになるし、また日本サッカー協会としては収入減になることも間違いない。何事も強化のためにはコストがかかるのを考えると、このバランスは難しいところだ。
森保監督はこの問題について「メリットもデメリットもある」とこう考えている。
「選手がいいコンディションで戦っていくということは大切だと思うので、現在の日本であれば、月に1回・2週間よりも、活動は1回で、長距離移動、時差がない、そして気候の違い等がないメリットはあると思っています」
「従来は4試合を、9月、10月シリーズでやっていたところが、(実質)2週間で4試合ということで日程的には本当にきつくなっていると思います。ただ監督の立場、強化の立場で言うと、もともと4試合やれていたので、やはり4試合やりたいという気持ちになると思います」
となると、結論は1つ。JFAは他の協会と連携してFIFAにインターナショナルマッチウィークの日程を延ばす、せめて18日間にする提案をするのがいいのではないだろうか。ほかにも世界中で今回出てきた問題があるはずだ。すべてを合わせてメリットが大きく、デメリットを最小化するように働きかけてほしいと思う。
(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。






















