59歳カズがこぼした「ギリギリだよ」 5→10分の”ゼロ”…迎える正念場「できなくなったら終わり」

滋賀戦で3試合ぶりにメンバー外となったカズ
J3福島ユナイテッドFCの59歳FWカズ(三浦知良)が、リーグ戦出場を目指して戦っている。福島は10月10日、ホームのとうスタ(とうほう・みんなのスタジアム)でレイラック滋賀と対戦。3試合ぶりにメンバー外となったカズは、2-2で引き分けた試合をスタンドから見つめた。今季のリーグ戦はこの日で10試合を消化したが、出場は0。それでも、練習をフルメニューでこなすなど好調を維持して出番に備える。
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今年1月に5年ぶりにJリーグに復帰、シーズン制移行にともなう百年構想リーグでは先発3試合を含む5試合に出たが、8月に開幕した2026-27年シーズンはベンチ入りを争う状況。メンバー入り4試合も、まだピッチには立てていない。
試合中は混乱を避けるためにメインスタンドの選手席からは離れて最上段からチームを応援。FW岡田優希、MF樋口有斗のゴールで逆転しながら追いつかれて勝ち点3を逃した試合を「いいゲームだった」と振り返るのがやっとだった。
「出たかったね」と話したのには理由があった。この日対戦した滋賀は、JFLのアトレチコ鈴鹿(前鈴鹿ポイントゲッターズ)でJ3昇格を争った相手。昨年は開幕戦で逆転負けを喫するなど2敗し、滋賀はJ3昇格、鈴鹿は東海リーグに降格した。
鈴鹿時代のチームメートも多く出場していた。先発のMFに三宅海斗、中村健人、海口彦太が並び、後半にFW菊島卓も出場。「4人も出ていたからね」。三宅に同点に追いつかれるゴールを決められるなどJFLからJ3に戦いの舞台を移して活躍する元同僚たちとピッチで対戦できなかったことを残念がった。
それでも、カズ自身は元気だ。この日もメンバー外の選手たちと午前中に練習。故障で試合に出られない選手は別だが、基本的には若手が中心だから内容もハードになる。「メンバー外の練習がきつくて。かなり負荷がかかる」と話すが、年齢が半分以下の選手たちと同じようにこなす。
「いつも疲れている。ギリギリだよ」と練習後に苦笑いするカズだが、練習をやれている自信が還暦間近の身体を支える。鈴鹿時代の昨年は筋肉系の故障が相次いで、チーム練習から離脱することも多かったが「今年は全部できている。休んでいないのは去年と違うところ」と胸を張る。
試合に出られるかどうかはチーム事情もあるし、自分で決められない部分はある。JFLから5年ぶりに上位のJ3に移籍した時点で、出場が簡単でないことも分かっていた。ただ、練習ができるかどうかは自分次第。引退について口にすることはないカズだが「練習ができなくなったら終わり」とは言う。
その姿勢はチームにも大きな刺激を与える。寺田周平監督は「カズさんの決して妥協しない練習への取り組みは、若手の手本でありチームの財産」と絶賛。この日今季10点目を決めて得点ランクの首位に立つ岡田も「練習への向き合い方や姿勢が、有形無形にチームにもたらすものは大きい」と話す。
リーグ戦38試合のうち4分の1以上の10試合を消化し、チームは2勝2分6敗。「J2昇格」を最大で唯一の目標としながら、順位は20チーム中18位に落ちた。内容は決して悪くはないが、結果が出ていないのも事実。だからこそ、カズが言う通り「試合に向けて、しっかり準備する」しかない。今季初出場を目指すカズとともに、チームも妥協せずに走り続けるしかない。
(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。






















