なでしこが3連覇で示した「WEリーグの価値」 監督が明言「今後もラージリストに入ってくる」

なでしこジャパンの狩野倫久監督【写真:徳原隆元】
なでしこジャパンの狩野倫久監督【写真:徳原隆元】

狩野倫久監督が選手の成長を実感

 なでしこジャパン(日本女子代表)が激闘の末に3連覇を果たした。アジア競技大会は10月2日に静岡県のエコパスタジアムで決勝戦が行われ、日本は北朝鮮に2-2の同点からのPK戦を制し、32年ぶりの地元開催で金メダルを獲得した。狩野倫久監督は、国内組中心に臨んだメンバーについて「今後も代表候補のラージリストへ入ってくることは間違いありません」と話した。

 日本は準決勝までの5試合で無失点かつ26得点の圧倒的な成績を残してきた。そして、決勝では直近5大会で4回目の顔合わせとなる北朝鮮との決戦になった。そして、前半28分に所属のサンフレッチェ広島レジーナではストライカーだが、今大会では一貫して中盤で起用されてきたMF上野真実が先制ゴールを決めた。

 しかし、後半に入って2失点して窮地に追い込まれた。それでも、後半30分過ぎに一気に4選手を交代で送り込むと、後半42分にFW西尾葉音が同点ゴール。ベンチワークもハマって延長戦に持ち込み、そこで決着がつかずに迎えたPK戦ではキッカーが5人とも成功させ、相手の3人目をGK大場朱羽が完全に読み切ってセーブして勝利した。

 このPK戦について、狩野監督はキッカーの順番など攻撃セットプレーは元なでしこジャパンの近賀ゆかりコーチの担当だと話し「トレーニングでは、さまざまな状況を設定し、PKの練習も取り入れてきました。PKに向けたメンタル面の準備についても、選手たちと共有してきました。選手たちはスムーズに準備してくれました。疲労もあったと思いますが、正確にボールを止め、しっかりと決めてくれました。PK戦を勝ち切ることができたのは、選手とスタッフが積み重ねてきた準備のたまものだと思います」と振り返った。

 今大会に向け、昨季WEリーグ得点王のFW吉田莉胡が大会直前で負傷して出場辞退となったものの、FW神谷千菜が初戦からの5試合連続ゴールを含む7得点で大会得点王に輝いた。大場を除き全員が国内組の構成だったが「一戦一戦を積み重ねる中で、選手自身とチームの成長がWEリーグの価値を高めていくという思いを持って取り組みました」として、「選手たちは常に『日本のWEリーグの価値を、自分たちがピッチでしっかり表現するんだ』と口にしながらチャレンジしていました」と、その選手たちの大会への思いを明かした。

 今後は、来年のブラジル女子ワールドカップ(W杯)が最大目標となる。10月の欧州遠征では海外組中心のメンバーとなり、国内組は今大会に出場していないDF高橋はなのみが選出。逆に今大会のメンバーは次の活動には招集されていない。そうした点でも、国内組はもう1ステップ上を目指す必要があるのが実情だ。

 そうした点について狩野監督は「所属クラブへ戻った後、今回の経験をどのようなチャレンジにつなげるのかについても、選手たちと個別に話しました。日常のWEリーグの活動の中で、もう一段高い基準を設定し、自分たちで高い要求をしていく。それが自然とレベルアップにつながります」としたうえで、「今回の選手たちが、今後も代表候補のラージリストへ入ってくることは間違いありません」と口にした。

 前回大会も国内組を中心にしたメンバーで優勝を果たしただけに、WEリーグ発足からの国内組の底上げがあるのは間違いない。ここから、海外組も合流するチームに食い込んでくる選手が出てくるかも注目される。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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