新戦力台頭で強豪撃破も「4年後も同じことになっちゃう」 元日本代表が指摘した課題「何ができるか」

日本代表はウルグアイに3-1で勝利した【写真:徳原隆元】
日本代表はウルグアイに3-1で勝利した【写真:徳原隆元】

【専門家の目|高萩洋次郎】日本はウルグアイに3-1で勝利

 日本代表は9月24日、宮城スタジアムでウルグアイ代表と対戦し3-1で勝利を収めた。この試合を見ていた元日本代表MF高萩洋次郎氏は、新戦力の収穫と世界トップに挑む上で避けて通れない「個の壁」について語った。

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 新チームの船出としては上々の結果となった。日本は強豪相手にもボールを支配しチャンスを作り出すと、前半11分、代表デビューとなった松木がカットインから左足を振り抜き先制点を奪った。これまで強豪相手の日本はどうしてもボールを握られ、ショートカウンターを狙う展開が多かった。この日も苦しい時間がありつつも、ボールを握る展開も作れた。

 前半終了間際に追い付かれたが、後半も日本は臆することなくボールを握り、一進一退のなかで終了間際に途中出場の塩貝健人が決勝弾を決めた。さらにFW上田綺世もゴールを奪い3-1で勝利を収めた。

 高萩氏は「まず松木選手や他の選手含めて新チームになって、もうみんなギラギラしていて、アピールしなきゃっていうところが見えて、すごい良かった」と新戦力が見せたアグレッシブな姿勢に触れた。

 さらに高萩氏が大きな収穫として捉えているのが、対強豪国を相手に自分たちのペースで試合を進められた点だ。

「やっぱり世界の強豪相手にメンバーが変わっても、自分たちのサッカーができる。自分たちのペースでサッカーができるところはやっぱり収穫。今までやってきたことを継続、維持して作り上げてきたものはこれが成果。ここからアジアカップ含めて4年後に向けて、またプラスで積み上げることができると思うのでベース、土台ができている状態でその上にどれだけ積み上げられかが大事かなと。それがこの初戦で見えたっていうのが収穫だったと思います」

 これまで積み上げてきた戦術・コンセプトを崩さず維持できているからこそ、選手が入れ替わっても一定以上の主導権を握ることができ、今回の結果をたぐり寄せた大きな要素と言えるが、高萩氏はこの試合で再度浮かび上がった局面を個人で打開する「個の力」が課題だと指摘する。

 ウルグアイは敗れたが、ピンチの場面でDFロナルド・アラウホが前田大然を抑え込んだ場面があり、「あの相手のディフェンス陣、ああいう風に最後、個で相手を止めていたじゃないですか。やっぱり最後は個でどうにかする。それをできるのがW杯で優勝するとか、上に上がっていくチームだと思うので、そういう選手が今後出てきてほしいなと思いました」と語り、日本は「ブラジルに負けたW杯みたいな、個の部分は気になりました。個人で局面を突破してゴールにまでつなげる、相手に脅威を与えるのを90分間できる選手が今後もっと出てこないと、W杯で同じような結果になっちゃう」と危惧した。

「やっぱり最後が崩せない、最後が決めきれないところは、ボールを支配できて良い展開をして、数値的優位を作ったり1対1を作れて、じゃあそこで何ができるかっていうところは、個人個人が積み上げをしないと。4年後また同じことになっちゃうような気がしましたね」

 その打開策の一つとして高萩氏は、「ボランチが点が取れるようなチームにならなきゃいけないと思う」と指摘。佐野兄弟の献身的な働きを「チームとしてすごい助かる」と評価しつつも、さらなる高みを目指すためのピースとしてボランチのゴール関与を挙げる。

「それこそブラジル戦で佐野海舟選手が取ったようなゴールもですし、崩しながら支配しながらでもボランチがゴール前に入っていって仕留めるまで絡むようなサッカーができると、積み上げという意味ではもう1つ上がれるような気がしました」

 そして、この試合で大きな収穫となったのが豪快なデビュー戦ゴールを決めた23歳の松木玖生だ。高萩氏はFC東京時代に松木と共にプレー。当時は青森山田高校を卒業したばかりのルーキーだったが、自身をはじめ、一回り以上違う先輩にも物おじせず、意見を聞きにきていたという。一緒にプレーした期間は約半年だったが、18歳で開幕スタメンをつかんだ松木の印象は残っている。

「彼のメンタリティーが代表初出場でも、相変わらず発揮されているなと。大舞台に強いですから。メンタル、気持ちで必ずアピールしてゴールを奪いに行くというのは、最初のプレーから見えていました。それがしかも結果につながるのは、彼の大舞台に強い特徴が生きた部分なんじゃないかなと思います」

 新戦力の台頭という大きな収穫を得た日本代表だが、高萩氏が説く「個の打開力」と「更なる積み上げ」を糧に、4年後へ向けた真の進化を果たせるかが今後の鍵となる。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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高萩洋次郎

高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。

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