日本が抱える”長年の課題“ ブラジル戦でも露呈…森保監督が何度も口にしていた「どうやって」

北中米W杯で日本代表を率いた森保一監督【写真:徳原隆元】
北中米W杯で日本代表を率いた森保一監督【写真:徳原隆元】

ブラジル戦では終始ボールを握られ苦しい展開に

 森保一監督はブラジル戦後の記者会見で、日本代表の改善が必要な部分についてこう語った。

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「守備から攻撃に移る、最初の相手のプレスを回避するそこのパスのクオリティや、パスを通すためにどのように動くか。トランジションをもっと早くして相手のプレスをかいくぐれるようにしなければいけない」

「一旦プレス回避できれば選手たちの技術が活きて、プレーモデルとしてやっている組織的に崩していくこともできれば、選手のアイデアで崩していくこともできる。今日の試合でもボールを保持した時には相手もなかなか奪いに来られない時間帯があったので、そういう状態に持っていけるように、守備から攻撃にというところの最初のパスの1本、2本をどうやってプレス回避していくか」

 実はこれは森保監督がずっと一番の課題として取り組んできたことだった。2020年10月、コロナ禍のためオランダ・ユトレヒトで行われたカメルーン戦(0△0)を振り返り、監督は次のような見解を示した

「守備から攻撃に切り替わった時のプレーのクオリティはより上げていかなければいけない。今日の試合を想定した時にボールを奪った瞬間に相手がプレッシャーを激しくかけてくるということはスカウティングで意識していたので、プレッシャーを回避してもらえるように、素早く相手のゴールに向かっていくことは(必要です)」

 さらに、2022年6月にサッポで行われたパラグアイ戦(4○1)の後にも、奪ったボールをいかにして攻撃に結びつけるかについて、こう述べている。

「守備から攻撃という部分、奪ったボールを攻撃に結びつけるという部分では、まだまだパスの出し手と準備する部分で合わないところがありました。これから世界で戦う上で、よりレベルの高い相手と激しい、厳しい、時間とスペースがない中で守備の時間が長くなって守備をした後にクオリティの高い攻撃をしなければいけないと思います。また守備で相手に回されて疲弊するということを考えると、守備から攻撃、奪ったボールを繋ぐクオリティを上げていきたいと思います」

 2022年カタールワールドカップを終え、新しいチームで挑んだ2023年3月、国立競技場でのウルグアイ戦後にも、ボールを奪った後の展開について同様の課題を指摘している。

「ボールを奪った後の攻撃の展開がうまくいった時はチャンスになりますけど、ファーストチョイスが前線に動かせなかったり、うまく繋げなかったりすることで、攻撃の形を作れなかったり、あるいは相手に受けたりしたという部分では、やはり奪った後、どう展開するか、相手が嫌がる、そして我々にとっては試合を決められるようなチャンスをもっと作れないといけない」

 このウルグアイ戦では試合前日にワールドカップをこう振り返っていたのだ。

「スペイン戦であったり、ドイツ戦であったりでは、守備から攻撃のカウンターのところでより相手の嫌がるいい攻撃ができました。ですがボールを握りながら試合を進めるという部分では、ボールを奪ってプレス回避をして攻撃につなげていく、速攻ができなかった時のボールの動かし方は上げていかないといけない」

 ブラジル戦ではこのトランジションがうまくいかず、ボールを奪ってもすぐ相手に奪い返され、守備に追われることになって体力が削られ、苦しい展開を招いてしまった。

 だが森保監督はブラジル戦をこうも振り返っている。

「カタールからの課題でチームとして取り組んできていて、間違いなくレベルは上がってきていると思いますので、グループリーグや今日の試合も外せる回数は増やせていると思います。けれど、もっともっと確率高く自分たちの守備から攻撃にという形をスムーズにしなければいけない」

 日本代表の夏は終わった。だが9月24日には宮城で、9月28日には広島で、早速新生日本代表が歩みをスタートさせる。選手たちはこの課題を克服できるというアピールを、このときまでに見せてくれるに違いない。

 ブラジルとの厳しい戦いを経て、日本の取り組むべきことはハッキリ見えた。あとは前に進むだけだ。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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