Jスカウトも唸った守備センス 100分の死闘で際立った2年生…課題は明確「まだまだ足りない」

履正社高校の2年生MF相澤伶実
第104回全国高校サッカー選手権大会大阪府予選準決勝。第一試合で興國が1-0で阪南大高を下した後に行われた第二試合は壮絶な打ち合いとなった。
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スコアから言うと延長戦を戦い抜いて4-3で履正社が大阪産業大学附属高を振り切って6年連続の決勝進出という偉業を成し遂げた。この試合、履正社が3度のリードを奪うも、3度追いつかれ、延長後半で4度目の突き放しをするという内容だった。
雨が降り頻るJグリーン堺S5ピッチで繰り広げられた100分間の死闘の中で、履正社の2年生ボランチのプレーに目を奪われた。
MF相澤伶実は圧倒的な運動量とボールハント力を最後まで見せつけた。大産大附の強烈な勢いの前に3失点こそ喫したが、その中でも視察に来ていたJスカウトが唸るほどの守備センスだった。
173センチと大柄ではないが、ピッチ上で常に首を振って周りの状況を確認して、ボールがどう動くのか、相手がどこを狙っているのかを把握し、攻撃のスイッチを入れるパスがミドルゾーンで入ると鋭い出足で飛び出してインターセプトをしたり、トラップ際を奪い取ったりする。味方の4バックへのサポートも的確で、プレスバックやカバーリングで相手のチャンスの芽を奪い取った。
パスセンスも非凡で、奪ってから冷静にボールを捌けるのも大きな魅力の1つ。アタッカー陣とうまくリンクしながら、チームの武器である攻撃力を引き出す役割をこなしている。
「僕としても1対1の間合いだったり、CBやサイドバックのカバーリングだったりは強みだと思っています。相手より先に触れることを意識しているのですが、先に触れなかった場合はできるだけ間合いを詰めることを大事にしていて、そこで奪えなくても、相手は焦ってミスする確率は増えて、次が狙いやすくなる。だからこそ、迷ったら行くようにはしています」
理路整然と自分のプレースタイルを解説する。同時に課題も「ゴールに直結するようなパスやアシスト、ゴールという数字の部分がまだまだ足りない」と明確に理解しており、「もっと攻撃姿勢を持ちながら、リスクマネジメントをしてゲームをコントロールできる選手になりたい」と自分の選手像も持っている。
相澤は愛知県出身で、中学時代はFC.フェルボール愛知に所属。先月、1学年上の先輩である流通経済大柏高のMF島谷義進のJ2・水戸ホーリーホック入団内定の報に触れた。
「島谷さんが3年の時、僕は上のチームに上がっていないので、あまり関わりはないのですが、中学時代は守備的な選手というより、トップ下でより攻撃的な選手だったので、高校に入ってアンカーをやっていると聞いた時はびっくりしました。実際に流通経済大柏の試合を見たら、守備がうまくて凄く戦っているし、プロに行くのは間違いないなと思いました」
先輩の変貌ぶりに驚きと大きな刺激をもらったことで、より成長意欲が高まった。
「履正社に進学したのは、平野直樹監督の言うことを聞いていればプロになれると思ったから。今も生きたアドバイスをもらえるので、それを受け止めながら自分のストロングである守備を磨いて、(相手を)1人で止めて、攻撃でも起点になる存在になりたい。そのためには判断の質を上げていきたいと思っています」
1年時からスタメンを掴んでおり、昨年は選手権予選決勝で阪南大高に0-5で大敗した苦い経験を積んでいる。今年はチームを勝利に導くボールハントと攻撃のリズムを作り出すべく、成長した1年を示す決勝の舞台に立つ。
(FOOTBALL ZONE編集部)





















