3強相手に貫く独自スタイル「泥臭く」 代表メンバーと比較「海外勢にも負けない」

大宮女子が東京ベレーザと2-2ドロー
WEリーグは10月11日に各地で第10節の試合が行われ、RB大宮アルディージャWOMENは暫定首位の日テレ・東京ヴェルディベレーザをホームに迎え撃って2-2で引き分けた。今季からチーム名も「RB」を冠するようになったチームは積極的なプレスで渡り合った。
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昨年8月に世界的な飲料大手メーカーのレッドブルが大宮の経営権を買収し、秋春制のWEリーグに参戦する女子チームは今季から「RB」をチーム名に冠するようになった。サッカーの面では世界的な戦略として積極的にプレッシングをかけていくスタイルに取り組んでいる中、このゲームでも昨季女王を相手に挑みかかっていく姿勢は変わらなかった。
前半3分にロングボールを前線で収めたところから縦に速い攻撃を仕掛け、FW齊藤夕眞が先制ゴール。前半の内に逆転を許したものの、後半24分にはFW井上綾香が背後に抜け出し、シュートをGKが弾いたところでファーサイドに詰めたMF大島暖菜が押し込んだ。交代出場直後の2選手がゴール前で決定的なプレーをして、引き分けに持ち込んだ。
ベレーザのパスワークに外される場面もありながら、前に出る姿勢を貫いた試合後の柳井里奈監督は「前節のセレッソ(大阪ヤンマーレディース)戦後に、選手とも『ちょっとワーストだったね』という話をしました。理由としては、私たちのレッドブルとしての誇りのところが少し見えなかったっていうところ。ベレーザさんのような美しいスタイルもありますし、私たちの泥臭さとかがある中で、そういったものをしっかり受け入れて、自分たちの強さがなんなのかっていうところを再認識して」と、今節の試合までの準備段階を明かした。
WEリーグは発足から4シーズンの優勝チームや順位表を見ても、ベレーザに加えて三菱重工浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサが3強を形成している。大宮は今季すでに1回ずつ対戦し、1分2敗には終わったものの自分たちのスタイルで真っ向勝負をした。
INACでプレー経験も持つ大宮のMF阪口萌乃は「自分たちのスタイルってこうだよねっていうのをまた改めてこう体現できた部分はあったなっていうのは今回のゲームではすごく感じた」と話す。そのうえで「今までベレーザさんとか強いチームに対して『強い』っていうイメージを持って引いちゃってカウンターとか、そういうのがあったと思うんですけど、どのチームもレベル的にも上がってきて、チームとしての個性が発揮できるサッカーが今やっているサッカーなのかなと思います」と充実感を話していた。
柳井監督は「3強の選手たちは素晴らしいと思います。クラブも素晴らしいと思いますから、そこを真似て同じことをやってもっていうところだと思うので、そういった中でそういうスキルだったり強度だったりを上げていく」としたうえで、リーグ内でスタイルが多彩になっていくことでの未来も見据えて話す。
「強いて言えば、いろんな個性であったりスタイルだったりっていうところで育ってきた選手が集まるのがなでしこジャパンであってほしいと思います。なでしこジャパンが大体海外(クラブ)の選手になっているんですけど、でも元々はそういう3強の選手がほとんどだったところに、私たちレッドブルグループの強気な姿勢とか、球際は海外勢にも負けないよっていう選手が今後出てくれば、監督としてやっていることは間違ってなかったんだなと思えます」
資金的な部分で生まれる環境的な変化がピッチ上に反映されるまでは少し時間もかかるかもしれないが、マインドの変化がすでに起こっていることを感じられる試合を展開していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















