主力不在で白羽の矢 浦和ユース1年生が堂々デビュー…長身187cmが故の苦悩「僕の課題」

浦和レッズユース1年DF瀬戸駿に脚光
プレミアリーグEASTが2か月の中断期間を経て、9月6日から再開した。7日に行われた第12節の流通経済大柏vs浦和レッズユースの一戦で、浦和ユースの1年生CB瀬戸駿は、デビュー戦とは思えない落ち着きと、最後まで球際や1対1で一歩も引かないプレーを見せた。
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「流経柏の選手はフィジカルが強くてボールが収まるので、そこで自由を与えないのと、裏に行かせないようにCBだけでなく、ボランチやサイドバックにプレスバックをしてもらって対応しようと考えていました。フィードの面では前から来るので、ひっくり返すことが有効策だと思っていたので意識しました」
この言葉からこの試合に対するチームとしてだけではなく、個人的な準備の入念さがうかがえた。瀬戸は187cmの圧倒的なサイズを誇り、サッカーIQも高く、相手との駆け引きやラインコントロールのうまさを持っている。昨年は浦和ジュニアユースで高円宮杯U-15選手権において優勝に輝き、個人としてもU-15日本代表にも選出された瀬戸だが、夏まではセカンドチームでプレーしていた。
ジュニアユース時代は左右のサイドバックを主戦場としてきたが、その圧倒的なサイズと頭脳を買われてCBにも挑んでいる中で、「この1年の間にどれだけ成長できるかがポイントになる」とセカンドチームで自己成長にフォーカスを当てていた。
「僕の中で貴重な時間になったのが、トップチームがクラセン(日本クラブユース選手権)に出場している期間でした。クラセンに帯同できなかった悔しさはありましたが、逆に残ったことを有効活用するために、自分の課題と真っ直ぐに向き合うようにしたんです。僕の課題はこの高さを持っているのに、うまくボールの落下地点に入り込めないことだったので、自主トレで落下地点を読むために、ポジショニングや軌道を読むことなどを意識しながら徹底して取り組みました。今思うとクラセンに行って出場時間が短いよりも、考える時間や課題解消のトレーニングに費やせたことは大きな意味のある時間でした」
巡って来たチャンス
時間の使い方をいかに有効的なものにするのか。試合中心になると、どうしてもチーム戦術などが優先され、個にフォーカスができなくなる。そうであれば個にフォーカスできる時間をどこで割けるかを考える。メンバー外に対して、ただ悔しい思いをするだけではなく、「ならばどうするか」の思考を瀬戸は持っていた。
迎えた流通経済大柏戦。CBの主軸である2年生の田中義峯がU-17日本代表のフランス遠征で不在となり、3年生CBの東方田純永も前節の市立船橋戦でレッドカードを受けた影響で出場停止。CB2枚を欠く状況で、努力を重ねた瀬戸に白羽の矢が立った。
「プレミアの試合は自分が出たらどうすべきかを考えながら、外からしっかりと見ていました」と口にしたように、一見、ラッキーだったように見えるが、きちんと準備をしていたからこそチャンスは巡ってきたし、実際にプレーで今の自分が出せる答えをしっかりと示すことができた。
「CBのポジション争いに食い込めるチャンスをもらえたからこそ、2人が戻ってきた時に負けないように今日の経験を生かしていきたいと思っています」
この経験で新たな課題も見えたはずだ。手応えを含め、ここで得たものをこれからの時間の有効活用にさらに反映させ、よりスケールの大きなDFとなるべく。瀬戸はその思考力を生かして、自分の未来を彩っていく。




















