助っ人を“イラつかせる”21歳 監督絶賛「聞いたら分かる」…痛恨黒星で光った存在感

長崎のエース封じを任された札幌の西野奨太「ああいうプレイヤーは得意」
北海道コンサドーレ札幌は8月9日、J2リーグ第25節でV・ファーレン長崎に1-2で逆転負けを喫した。アウェーで1点リードを守り切れず、後半アディショナルタイム7分に勝ち越しゴールを許したが、痛恨の敗戦のなかで随所に光るプレーを見せたのがDF西野奨太だ。成長著しい21歳を岩政大樹監督も評価した。
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「原爆の日」に合わせ、平和祈念マッチとして行われた特別な一戦。スタジアムの後押しもあって気迫を全面に押し出してきた長崎に苦戦するが、前半18分にMF高嶺朋樹の左足ミドルで先制に成功する。その後も押し込まれたが、左CBで起用された西野が相手エースのFWマテウス・ジェズスに仕事をさせなかった。
岩政監督は試合後、西野について言及。「長崎さんに聞いたら分かるんじゃないですか。長崎さんはかなり対策に苦労して、前半は我々がペースを握りましたので。攻守ともに狙ったものは出せたと思います」と左での奮闘を称えた。
札幌アカデミー出身で2021年に2種登録としてデビューを飾った逸材だったが、その後はなかなかレギュラーに定着できず。昨季途中にカマタマーレ讃岐へ育成型期限付き移籍していたが、岩政監督が就任すると急成長を示している。
後半13分に高嶺が負傷交代となり、やむなくシステムを変更したことでマテウス・ジェズスが躍動。2ゴールを決めてヒーローとなっただけに、西野の存在感が際立つ結果となってしまった。長崎の高木琢也監督も「前半はちょっと変化をつけられてしまい、うまく対応できませんでした」と苦戦を認めている。
西野本人はマテウス・ジェズスとのマッチアップについて、「ああいうプレイヤーは得意な方ではあるので」と自信ものぞかせた。たしかに、徳島ヴォルティス戦ではFWルーカス・バルセロスが、サガン鳥栖戦ではMFヴィキンタス・スリヴカのイライラが爆発し、西野に対してラフプレーに及ぶシーンもあった。
この試合でも、前半のマテウス・ジェズスは西野のマンマークによって前線に顔を出せず。「まず抜かれないというところと、起点のパスを出させないような距離感でいることと、やはり自由にボールを触らせてしまったら、彼のリズムになるので。常に近い距離でプレッシャーを与え続けるようにしようと思っていたので、それができた前半ではありました」と手応えを感じる出来だった。
一方、試合終盤に防戦一方となったことについては、「本当に守備、守備になりすぎて、自分たちが攻め込む意識がなくなっていたので。そこは本当に反省点ですね」と唇を噛んだ。相手サポーターの雰囲気にも飲まれ、「もっと押し込んでコンサのサポーターの皆さんの前でプレーすることができれば、自分たちに有利になっていたと思います」と自陣に釘付けにされたことを悔やんだ。
ショックの大きい敗戦となったが、次節のブラウブリッツ秋田戦はすぐにやってくる。「もっとボールを持って相手を圧倒して、守備では失点を抑えて圧倒できるサッカーをして勝たないと、昇格という文字がどんどん遠くなるので」と危機感。「次に向けてしっかり準備していきたい」と切り替えを誓った。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)




















