初陣4発の遅咲きストライカーは「食い込める可能性」 元代表FWも評価…ルーキーから光った“魅力”

【専門家の目|ハーフナー・マイク】ジャーメイン良の得点を解説
現役時代にヴァンフォーレ甲府などで活躍し、オランダ1部リーグで通算51得点を挙げた元日本代表FWハーフナー・マイク氏が、日本代表のデビュー戦で4得点を挙げたFWジャーメイン良(サンフレッチェ広島)について語った。ベガルタ仙台時代にチームメートだった“後輩”にさらなる活躍を期待した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)
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衝撃の4得点だった。EAFF E-1選手権の初戦となったホンコン・チャイナ戦。30歳で代表デビューとなったジャーメインは、前半4分に左サイドからのクロスを胸トラップし、左足ボレーでいきなり先制点をマーク。同10分にも左サイドからのクロスに、今度は頭で合わせて追加点を奪った。同22分には左足でコントロールシュートを右隅に決めて、代表デビュー戦では史上最速となるハットトリックを達成した。さらに同26分にもMF久保藤次郎のクロスを右足で合わせ、4ゴールを記録した。
「デビュー戦で4得点を取るのはインパクトが大きいですよね。相手のレベルがあるとはいえ、絶対自信もついただろうし、ボールを呼び込むポジショニングも評価していいと思います。先制点、2点目というのはチームにとっても大きかったですよね。今までやったことのないメンバーで戦っている大会で、安心させられたと思うし、それによってみんな自分のプレーを出せていたと思います」
特に1点目のボレーシュートにはジャーメインの魅力が詰まっていたと語る。左サイドからMF相馬勇紀のクロスをゴール前で胸トラップすると、難しい体勢ながらしっかり角度を作って左足ボレーを突き刺した。
「(相手の)寄せがなかったとはいえ、あのボレーは結構難しかったですよね。当たり前に決めるのはもちろんですけど、ああいう難しい体勢からのゴールも1つの評価だと思うんですよ。去年もリーグ戦で19得点取りましたけど、ダイナミックなゴールが多いんですよね。難しいゴールを決められるのは彼の魅力だと思います」
ハーフナー氏は2018年にヴィッセル神戸から期限付き移籍でベガルタ仙台に加入した際、当時大卒ルーキーだったジャーメインと半年間プレーした。同じストライカーとしてコミュニケーションをとることも多く、食事に行ったりもした。
「やっぱり元チームメートとして、今回の活躍はうれしいですよね。当時は最初はベンチ外も多かったんですけど、最後の方は途中から出て点を取ったり、スタメンでも出るようになったりして。当時からダイナミックなゴールが多かったですし、代表について話したこともありましたね」
これまでE-1選手権でブレイクを果たし、代表に定着した選手は数多くいる。2013年大会で活躍した柿谷曜一朗がブラジルW杯に、2022年大会に出場した町野修斗がカタールW杯に出場した。相手のレベルが上がっていく次戦の中国戦、最終戦の韓国戦で真価が試されることになる。
「中国、そして韓国を相手にどれだけできるかというところを森保さんも見たいと多います。今回4得点を取ったことで勢いは生まれるし、強い相手にも結果を出すことができれば、一気にベストメンバーの中にも食い込める可能性が出てくる。彼にとって今回の4得点は絶対にプラスですし、期待したいなと思います」
(FOOTBALL ZONE編集部)

ハーフナー・マイク
ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。





















