「あそこで打たないのは珍しいですけど…」

　その一方で「攻撃はもっとやらなきゃいけない」と、本職のアタッカーとしてのプレーには不満足な面を見せた。前半に左サイドから得意のカットインでコースを作って放ったミドルシュートは枠を外れた。後半終了間際には、ゴール前中央で相手を引きつけてラストパス。途中出場のFW岡崎慎司に絶好の得点チャンスを演出したが、岡崎のシュートは枠を外れた。

「前半は僕のミスが多かった。僕がクオリティーの高いプレーをしていれば、もっと左からも攻められた。（後半のチャンスは）打てたけど、見えちゃって（笑）。なんでかな。あそこで打たないのは珍しいですけどね。自分の感覚的に、あれが正しいとは思う。点を取りたかったから打っても良かったと思うけど、勝ち点3を取ることをポイントにしていたので」

　W杯最終予選での連続ゴールは4試合でストップとなったが、ゴールだけでは測れない大きな貢献を見せた。かつての“わがままドリブラー”の影はなく、チームの勝利のみを追い求める原口は、その名前がゴールやアシストの記録に残らなくとも、勝利の大きな立役者となっている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文　text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images