3発快勝の星稜とPK戦勝利の前橋育英が決勝へ ともに初Vをかけ激突!

 

前橋育英がPK戦で流通経大柏を下し、初の決勝進出

 

 第93回全国高校サッカー選手権大会は10日、埼スタで準決勝2試合が行われた。第2試合では、初の決勝進出を目指す前橋育英(群馬県)と流通経大柏(千葉県)が対戦し、1-1でPK戦に突入。1人失敗した流通経大柏に対し、5人全員が成功した上州のタイガー軍団が5度目の挑戦で初の決勝進出を果たした。

 試合は、両雄の意地がぶつかり合う好ゲームとなった。開始から流通経大柏が前線からプレスを掛け、前橋育英がそれをパスワークでこじ開けようとする、互いの特長を出し合う展開となった。だが、両者共に決め手を欠き、拮抗した試合展開のまま後半を迎える。

 この均衡を破ったのは、FC東京への加入が内定している流通経大柏のDF小川諒也(3年)だった。試合前日、「ゴールを決めたい」と語っていたレフティーが大仕事をやってのけた。後半27分、途中出場のMF相沢祥太(3年)のパスに反応すると、相手最終ラインの裏へと抜け出す。そして、競り合うDFを自慢のフィジカルの強さで抑え、左足のループでゴールを狙った。GKの頭上を抜けたボールはゴールへと吸い込まれる。小川は、歓喜で沸く流通経大柏の赤色の一団に誇らしく腕を挙げた。

 しかし、試合はこれで終わらない。試合終了間際の後半45分、U-19日本代表のMF鈴木徳真(3年)が意地を見せつける。ゴール前のこぼれ球を拾うと、右足一閃。土壇場で試合を振り出しに戻す。

 PK戦は、2本目に蹴った流通経大柏FW高沢優也(3年)のシュートが右ポストを叩いて失敗。白熱の熱戦を制した前橋育英の鈴木は試合後、「自分の同点ゴールでPK戦に持ち込めてうれしい。仲間があれだけ応援してくれた。絶対に負けられないと思った」と歓喜に浸った。

 第1試合は星稜(石川県)が日大藤沢(神奈川県)を3-0で下し、2年連続の決勝へ。12日の決勝は星稜と前橋育英の激突。悲願の初優勝を成し遂げるのは果たして――。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

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