フル出場で1G2Aの活躍

　森保一監督が率いる日本代表（FIFAランキング18位）は9月5日、2026年北中米ワールドカップ（W杯）アジア最終予選の初戦で中国（同87位）と対戦し、大量7ゴールで初陣を飾った。日本代表MF久保建英は1ゴール2アシストの大活躍。7点目を飾った久保はMF伊東純也から“譲られた”ことを明かした。

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　最後にネットを揺らしたのは背番号20だった。後半アディショナルタイム、伊東からのパスを豪快な一撃を突き刺す。「ファーストタッチで相手の前に入れたので余裕を持ってシュートを狙うことができた」。最終予選では最多となるチームの7ゴール目だった。

　実は伊東も自らが打とうとしていた。それでも「タケだから」とパスが回って来たという。「嬉しかったですね」。先制弾も精度の高いコーナーキックからアシストしていた久保への“ご褒美だった”。

「途中から得点の掲示板に俺の名前ないなと。最後に取れてよかった」

　前回の最終予選ではスタメン2試合。途中出場が2試合と負傷もありコンスタントな出番を得られなかった。だがそこから3年――。日本代表での地位を確立した。それは何よりも「余裕」が出てきたから。

「大人になったのが1つ。それと、余裕もあるので、僕が、僕が……がすべてではなくチームスポーツなので、色々な選手の良さを出そうと今日の試合は意識していた。内心は俺が、俺がだけど、それが正解じゃない時もあるので、チームが勝つための最適解が何か。良くないかもしれないけど代表に慣れてきた。みんなギラギラしているので、それをまとめるというか、僕もギラギラしているけど、みんなこれからの伸びしろがある選手だらけなのでやっていて楽しい」

　それは決して闘争心がなくなったというわけではない。MF堂安律、MF伊東純也、右サイドの争いはまだまだ激しい。

「みんなライバルだと思うけど、ライバルが活躍してくれないとこっちも困るので。ライバルの活躍は素直に嬉しい。（南野）拓実くんがゴール決めた時も俺も……と思うけど、それが日本代表の強化につながる。でもチームが苦しい時に、自分がチームを救いたいと思う」

　そんな久保が目を向けるのがバロンドールだ。

「そろそろ、来年か再来年には欲を言えばあの30人に入りたいし、女子は長谷川唯選手が2年連続入っていると思う。あそこに男子も、僕も含めて食い込んでいける時代だと思う。それこそ圧倒的な2強もいなくなったし、寂しい気もするけど、僕らみたいな伸びしろがある若手にはチャンスだと思う。どんどん数字を残してあそこに選ばれるように。去年のリーガのライバルも何人か選ばれている。レベル的には全く劣っていると思わないけど、数字の部分も重視していけたら」

　今季、所属のレアル・ソシエダは1勝1分2敗の12位と厳しいスタートを切っている。リーグ戦で1ゴール挙げているが、日本代表での好調を持ち込み、更なる高みを目指していく。