「筑波大に言ったわけではない」 町田・黒田監督「正義」発言に批判も…世の風潮へ訴えた真意

黒田剛監督が発言の真意について言及【写真:(C) FCMZ】
黒田剛監督が発言の真意について言及【写真:(C) FCMZ】

横浜FM戦後の発言で波紋…SNS上でも批判の声

 FC町田ゼルビアの黒田剛監督が6月20日にJ1リーグ第19節アビスパ福岡戦前の取材に応じ、対戦相手の分析や次節で折り返しを迎えるJ1リーグなどについて語った。

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 そのなかで黒田監督は、15日に行われたJ1第18節横浜F・マリノス戦後の記者会見での発言の真意を問われた。会見で黒田監督は「FC町田ゼルビアは決して悪ではないですし、我々が正義であり、言いたいことは言う、良くないことは良くないと訴える」とコメントを語っていた。この「正義」という言葉に「(6月12日の天皇杯2回戦で対戦した)筑波大学が『悪』だと言うのか」という批判がSNSで集まっていた。

 黒田監督はコメントについて「あれは筑波大学に(対して)言ったわけではない。(聞かれた内容は試合の)総評だった」と、発言をした状況についてまず説明した。そのうえで、自分たちに対して寄せられる批判についての思いを語った。

「例えばロングスローとかタオルとか、またはインテンシティー、強度のところだとかで、町田のサッカーが『悪』という感じで捉えられ、我々もそういうように評価され、そういったものが風潮となって、選手たちも我々も嫌な思いをしてきた。

 だから(自分たちは)『悪』じゃないと(語った)。選手たちが一生懸命勝利に向かってやっていることを、『正義』という言葉が正しかったかどうか分からないけど、彼らの正義を自分は守っていく。(選手たちは)全然ルール違反も何もしていない。勝つために彼らが思考して実践していること、彼ら自身もそこに対して一切悪いとは思っていない。(もし自分たちが)八百長をしているとか、相手をあざ笑うようなことを、失礼なことをやっているというのだったら(『悪』だと言われることも)分かるけれど、(そうでない以上)彼らの正義を監督として守っていかないといけないと思う」

 また、「選手たちは町田のサッカーにすごく信じてやっているし、彼らの取り組みには嘘偽りがないし、充実した日々を送っている。やっぱり彼らがマイナスになるような、批判のターゲットになるようなことだけはしたくない。怪我人4人の思いも無駄にもしたくないし、彼らの名誉とか無念を、監督含めて守っていかなければいけないというのは、やっぱり監督はその責任を負っていると思うので、彼らを守っていく」と、選手たちを守るための発言だったと語った。

 その一方で黒田監督は自分の発言が一部だけ切り取られ、炎上を招いていることについて「そういう言葉を使うと、やっぱりみんなに迷惑をかけてしまう」と懸念を示した。

 そして、記者会見であまり話さないほかの監督たちの例を挙げ、「あの人たちがなんでそうしている(あまり話さない)のかこれまで分からなかったけれど、やっと意味が分かった」と、今後は試合後の記者会見では最低限の言葉しか発しないと語っていた。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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