10番・堂安律が右WBで“真骨頂” 森保監督から絶大な信頼を裏付けるW杯の言葉【コラム】

堂安律のウイングバックでのプレーに期待だ【写真:産経新聞社】
堂安律のウイングバックでのプレーに期待だ【写真:産経新聞社】

右ウイングバックでの先発に期待

 森保一監督率いる日本代表は6月11日、ピースウイング広島で北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選シリア戦に臨む。森保監督はミャンマー戦でスタートから起用した3バック継続を明言。そのなかで、MF堂安律が新たに挑戦するウイングバックに期待を寄せた。背番号10が臨む新オプションは最も生きるシステムとなるかもしれない。

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「ウイングバックの方が点を取りやすい。ブラインドから入ってくるし、シャドーの選手が相手のサイドバック(SB)の前を走ると、相手のSBはシャドーについてくるので、そうなると大外が空いてくる。今までの古い5バックの考え方だと、そこをシャドーが走ったスペースに(ウイングバックが)いない。ザッケローニ監督がやっていた3-4-3だと、内田さんと長友さんはコントロールしがちで、そこ(スペース)に入っていかないと思う。(ドイツ1部)レバークーゼンだとそこに入っていく。得点するチャンスは確実に増えます。あと、相手も守備のレベルも上がっているので、危ないところを一番に消してくる中で、消した先に自分が出てくるというのは点を取れます」

 6日のミャンマー戦(5-0)では右シャドーに入っていた堂安だが、所属のドイツ1部フライブルクでプレーしているウイングバックにより意欲を見せていた。今季リーグ30試合の出場で7ゴール4アシスト。森保監督は、この堂安ウイングバック起用について「考えています」とし、先発への期待も濃厚となった。

「ミャンマー戦ではシャドーでプレーしてもらったので、ウイングバックでもチームとして戦術の幅を広げられるように試したいと思っている。フライブルクでもプレーして攻守において献身的に走って攻撃でもゴール前で得点に絡み、守備でも相手の攻撃を防ぐことをやっていた。彼のような攻撃に特徴があって得点に絡めるような選手には、より日本がアジアで確実に勝つために、世界で勝つために、ハードワークして攻守ともにチームに貢献するということを期待したいと思う。『こんなうまい選手がこんなハードワークするんだ』ということをサッカー少年少女に見てもらえたら嬉しい」

 背番号10を付けた当初は、右サイドの一番手はMF伊東純也で、主力に割って入るというよりスーパーサブの立ち位置だった。だが、カタールW杯でのドイツ戦、スペイン戦でのゴールや、その際の“発言”を指揮官も支持。相手にリードを許していたドイツ戦で堂安は「相手は11人で戦っている。コッチは23人全員で戦うぞ!」とチームを鼓舞した。実際、後半26分から出場して4分後に同点弾を決めた。勝負強さや責任感を評価され、10番を担った。

 スーパーサブの立ち位置を堂安は「今の森保ジャパンは90分リレーで戦うイメージ」と先発出場にこだわらない、“良いパス”を伊東から引き継ぐイメージで受け止めていた。だからこそ、特に第2次政権では短い出場時間でもトップパフォーマンスを継続することを意識していた。

 そのなかで、最も堂安が生きるシステムは3-4-2-1なのかもしれない。ウイングバックについて、本人はこう語る。

「スピードでサイドを切り裂いていくタイプじゃないけど、右サイドのポジショニングとかパスの精度とかでコントロールして支配するというのは、ウイングバックでもいわゆる一番の右のレーンを支配することはかなりできている。ザ・ウイングバックのフリースタイルじゃないですけど、(マンチェスター・)シティとか見ても(ベルナルド・)シウバがウイングをやっていて、スピードがなくても支配する。彼がいることでボールが回るところがあるので、そのイメージはかなり多く持っていて、何かプラスをもたらしたいなと思います」

 アジアカップでも10番としてチームを牽引する発言を繰り返し、態度で強烈なリーダーシップを発揮してきた。森保監督の信頼もうかがえるポジションで真骨頂を見せることができれば、10番の価値を存分に示すことができるはずだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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