久保建英と共存可能? 復活の南野拓実は「外せない」…日本代表OBが推す攻撃カルテット【見解】
【専門家の目|金田喜稔】トップ下に入った南野と久保がともに活躍
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング17位)は、1月14日にカタールで開催中のアジアカップ・グループリーグ初戦でベトナム代表(同94位)と対戦し、4-2と勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、トップ下でしのぎを削るMF南野拓実(ASモナコ)とMF久保建英(レアル・ソシエダ)の共存問題について、「確実に言えるのは、今の南野であれば外せないし、外したくない」と持論を展開した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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ベトナム戦にトップ下で先発出場した南野が2ゴールと出色のパフォーマンスを披露した。金田氏は南野を高く評価し、この日出場した日本代表16選手の中で最高点を与えている。
「好調ぶりを物語るようにシュートシーンに何度も絡み、そしてしっかり決め切った。さらに優れたプレスバックでうしろも助ける働きを見せた。攻撃だけでなく守備でも貢献しており、その存在感は大きい。以前の南野が戻ってきた印象で、まさに復活というところだろう」
一方、後半39分から南野に変わってトップ下に入った久保も出場直後に中央でボールを受けてラストパスを送り、FW上田綺世(フェイエノールト)のゴールを演出。出場からわずか1分でアシストをマークし、インパクトを残した。
南野と久保、2人はともにトップ下で活躍を見せている。金田氏は「南野は好調をキープしているし、久保も結果を残した。そうなると、トップ下2人の起用法はどうなるのか」と、今後の注目点を挙げた。2列目について「左の中村敬斗はベトナム戦1ゴールと好調。右の伊東純也はチームにやっぱり必要不可欠」と言及し、4人はいずれも外せない存在と見ている。
熾烈な競争が繰り広げられるなか、金田氏は1つの起用案を提案した。
「確実に言えるのは、今の南野であれば外せないし、外したくない。そうなると南野を1トップに上げて、トップ下に久保という選択肢も出てくる。もちろん攻守のバランス、コンディションなど複合的な要因が絡んでくるが、森保監督も迷うだろう。そして三笘の回復状態も気になる。三笘と中村、南野と久保、伊東と堂安、そのあたりで2列目の起用をどうするかで変わってくる」
2列目左サイドを主戦場とするMF三笘薫(ブライトン)は怪我からの回復状態が不透明のなか、現状では1トップに南野、トップ下に久保、左に中村、右に伊東の攻撃カルテットが最適解と語る金田氏。一方で、第2戦では先発を数人変更すると予想している。
「戦略的に考えればイラク戦で先発メンバーを数人入れ替えるだろうし、そこで勝利すれば、第3戦は大胆なターンオーバーもできる。決勝トーナメントから、いよいよ好調なメンバーを融合させ、優勝までの4試合を戦い抜くという青写真も描いているはずだ。すべてがプラン通りにはいかないかもしれないが、決勝まで7試合を戦うと想定した時、徐々にチームを融合させながら、コンディションもピークに持っていくというのは当然考えているだろう」
1月19日の第2戦でイラク、24日の第3戦でインドネシアと対戦する森保ジャパン。果たして次戦で先発メンバーの入れ替えはあるのか、そして2列目はどんな起用になるのか注目が集まりそうだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。