鎌田、南野、堂安は“ジョーカー”が適任? 森保ジャパン、主力と控えの現状【コラム】
中東の地でシリアに5-0の快勝
森保一監督率いる日本代表は11月21日、中立地サウジアラビア・ジッダ開催の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリアと対戦し、5-0の大勝を飾った。MF久保建英が先制点となるミドルシュートを決め、FW上田綺世はハットトリックを達成したミャンマー戦(16日/5-0)に引き続き2ゴールをマーク。DF菅原由勢とFW細谷真大がA代表初ゴールを決めての快勝劇となった。10月シリーズに続きコンディション不良でMF三笘薫が離脱したものの、アジアカップに向けてはMF伊東純也、MF久保建英とともに2列目の主力となるだろう。MF鎌田大地、MF南野拓実、MF堂安律は途中出場からの“切り札”が適任となるのだろうか。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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序盤はなかなかこじ開けられずに苦戦した日本だが、終わってみればシリアサポーター約6000人が駆け付けた“敵地”での圧勝だった。前半32分、伊藤洋輝から菅原、伊東純也とつないで、久保へ。これを久保がペナルティーエリア外からが左足で弾丸のミドルシュートを決めて先制点を奪った。さらに前半37分にFW浅野拓磨から伊藤が逆サイドへクロスを上げる。伊東が頭で落とすと、これを上田が右足で合わせて追加点を奪った。さらに前半40分、久保から伊東へつなぎ、伊東のパスに再び上田が押し込んでこの日2点目を決めた。
3-0で前半を折り返すと、後半立ち上がり直後、上田が倒されて約20メートルの位置でフリーキック(FK)を獲得。久保と菅原がキッカーの位置に立ち、2人でしばらく話し合った後、久保が落として菅原が右足でシュートを放った。2人のコンビネーションから作り出した“トリックFK”で綺麗な弧を描いた一撃はゴール右に菅原はW杯予選デビュー戦となった国際Aマッチ8試合目で初ゴールをマークした。後半37分には伊東のアウトサイドのパスに途中出場の細谷がトラップして左足でシュート。パリ五輪世代・期待のFWが“柏ライン”でA代表初ゴールを奪った。
ミャンマー戦で先発し、ミドル弾を決めた鎌田は途中離脱。2列目で躍動した南野と堂安はこの日途中出場となった。序列の最上位には三笘、久保、伊東が入ってくるなか、3人は“ジョーカー”としての活躍が期待されることだろう。堂安は今シリーズで「もちろん悔しいですよ。もちろん、ストレス溜まっています。スタメンじゃなければ、イライラしますし。ただもう誰のせいでもないので、全部自分のせいなので。自分に焦点を合わせながらやっています。割り切ってと言ったら丸くなっているように聞こえがちですけど、感情は常に自分のことを素直になりながらあえて表に出すようにはしています」と話していた。10番として常にチーム内の競争に打ち勝とうとしている。
とはいえ、優勝を目指すアジアカップもだが、特にW杯予選は厳しいコンディションとの戦いにもなる。2次予選に関しては今回のように2試合でターンオーバーしながら戦うこととなるだろう。W杯本大会まで2チームの底上げをしていくことが森保ジャパンにとって最善の策とも言える。相手が格下なだけに、チーム内で激しい競争を繰り広げて行ってもらいたい。