森保ジャパンは強い! 日本代表OBが証言する“1対1”の強さ…W杯優勝の目標も「幻想ではない」【見解】

カナダ戦に快勝した日本代表【写真:Getty Images】
カナダ戦に快勝した日本代表【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】今の日本にとっての“格上”は世界トップレベルの強国のみ

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング19位)は、10月13日に行われたカナダ代表(同44位)との国際親善試合で、MF三笘薫(ブライトン)が不在、MF久保建英(レアル・ソシエダ)も出番がなかったなかで4-1と快勝した。9月にドイツ代表(同15位/4-1)、トルコ代表(同42位/4-2)と欧州の強豪を立て続けに破ったのに続き、2026年のW杯開催国の1つであるカナダも大差で下した総合力を、元日本代表DF栗原勇蔵氏は高く評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は三笘が体調不良で招集を辞退し、久保もベンチスタートのまま出番は訪れなかったなか、開始2分に右サイドから崩し、こぼれ球に反応したMF田中碧(デュッセルドルフ)のミドルシュートが決まり幸先良く先制した。

 その後、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)が相手を倒してPKを献上するも自らPKをストップ。前半39分にはFW浅野拓磨(ボーフム)にボールを渡し、中央へのパスにMF南野拓実(ASモナコ)は追い付かなかったものの相手のミスを誘ってオウンゴール。さらに前半42分、浅野がドリブル突破からペナルティーエリア内でMF中村敬斗(スタッド・ランス)にラストパスを出すと、冷静に中村が蹴り込み3-0とリードを広げた。

 日本の勢いは衰えず、後半4分にも田中が右足ボレーで蹴り込んでこの日2点目。終盤に1点を返されたものの、4-1と勝利を収めた。

 昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)後、3月から再始動した日本代表はここまで7試合を戦い、5勝1分1敗の戦績を残している。

3月24日:△1-1/ウルグアイ(国立競技場)
3月28日:●1-2/コロンビア(ヨドコウ桜スタジアム)
6月15日:〇6-0/エルサルバドル(豊田スタジアム)
6月20日:〇4-1/ペルー(パナソニックスタジアム吹田)
9月9日:○4-1/ドイツ(ヴォルフスブルク/フォルクスワーゲン・アレーナ/ドイツ)
9月12日:〇4-2/トルコ(ゲンク/セゲカ・アレーナ/ベルギー)
10月13日:○4-1/カナダ(デンカビッグスワンスタジアム)

 森保監督は6月のエルサルバドル戦の前日会見で、2026年の北中米W杯に向けて「ベスト8という目標ではなく、優勝、世界一を目指しながら今のレベルアップをしていく」と語り、目標の“上方修正”を口にした。

 まずはまだ見ぬベスト8の景色から、とはなるが、日本代表OBの栗原氏は「4年前の今頃もアジア2次予選ですごく強いと感じましたけど、戦っている相手も違うし、今の日本だったら、優勝とまでは言えなくとも、ベスト4はもう幻想でもなく、全然狙えると思います」と語る。

「カナダは決して弱い相手ではないですが、今の日本には大陸のトップレベルの国じゃないと勝てない。それくらいの力はあると思います。日本にとって本当の意味で“格上”と言えるのは、アルゼンチン(FIFAランキング1位)、フランス(同2位)、ブラジル(同3位)、イングランド(同4位)、オランダ(同7位)くらいじゃないですか。いい勝負すると思うので、ガチンコの舞台で見たいですね。ベルギー(同5位)とかにも勝ってしまう気がします。今はまず1対1で負けない。そこを補うために、今までいろんなことをしてきたけど、プラスアルファで戦術とかを突き詰められるので本当に大きいです」

 日本サッカー協会(JFA)は2050年までのW杯優勝を掲げているが、2026年大会の出場権を手にし、どこまで上の景色を見れるか。森保ジャパンは虎視眈々をレベルアップを図る。

栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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