英記者がトルコ戦先発11人を採点、勝利も露呈した日本の“課題”…最低点2人は? 「常にあと一歩足りない」「脆弱性が…」

日本は欧州遠征2連勝【写真:Getty Images】
日本は欧州遠征2連勝【写真:Getty Images】

【識者の目】MVPに久保を推薦、「鮮烈なデビュー」の毎熊にも高評価

 日本代表は、9月12日にベルギー・ゲンクでトルコ代表と対戦し、4-2で快勝した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、昨年のカタール大会でワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は先発メンバーを採点。「日本サッカーの創造性を示した」とレアル・ソシエダFW久保建英を堂々のMVPに選出している。

   ◇   ◇   ◇

 日本代表・トルコ戦の先発メンバー採点(10点満点)

<GK>
■中村航輔(ポルティモネンセ) 5点
 不安定の一言。プレッシャーにさらされると脆弱性が顔を出す。前半終了前の中村のシュート処理の拙さがトルコに反撃の一点を与えてしまった。故障は不運だった。

<DF>
■谷口彰悟(アル・ラーヤン) 6点
 最低限の仕事。序盤の不用意なプレー選択で安過ぎる失点を献上するところだったが、幸運にもゴールにならず。

■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ) 6点
 2失点目に関与してしまったが、デビュー戦では谷口の隣で堅実さを垣間見せた。充実のセンターバック陣の定位置争いは遥か彼方。

■伊藤洋輝(シュツットガルト) 6点
 ドイツ戦よりやや持ち直した。クオリティーの片鱗は示したが、今回の2試合連続先発で左サイドバックが森保ジャパンの懸案事項であることが皮肉にも顕在化。

■毎熊晟矢(セレッソ大阪) 7点
 鮮烈なデビュー。守備も合格点。攻撃でも余裕と視野の広さを示す。酒井去った後の右サイドバックで菅原と健全なポジション争いに期待大。

<MF/FW>
■伊藤敦樹(浦和レッズ) 6点
 忘れられない一日に。先制点は圧巻そのもの。パフォーマンスの失速は見逃せなかったが、10月の代表戦で再びチャンスあり。

■田中 碧(デュッセルドルフ) 6点
 微妙の一言。前線と中盤のリンクマンとして機能したが、守備では終始劣勢に。後半はやや持ち直した。

■中村敬斗(スタッド・ランス) 7点
 ファンタスティックな男。代表初先発で2ゴール。特に毎熊からの2点目は白眉。語り継がれる一戦になるかもしれない。

■堂安 律(フライブルク) 6点
 伊東純也との差が残酷なほど露呈。中村の初ゴールに絡んだが、それ以外はインパクト不足。らしいダイナミズムが見られなかった。

■久保建英(レアル・ソシエダ) 8点
 不運にもゴールは訪れなかったが、日本サッカーの創造性を体現したMVP。クオリティーと冷静さを示した。称賛に値する。

■古橋亨梧(セルティック) 5点
 古橋には忘れたい1日に。数多くの決定期を迎えながらも、常にあと一歩足りない。ハードワークは見せたが、それだけでは物足りない。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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