【専門家の目｜栗原勇蔵】森保ジャパンの戦いぶりを高評価も、GKの課題を指摘

　森保一監督率いる日本代表は、9月12日にベルギーで行われたキリンチャレンジカップでトルコ代表に4-2で勝利した。これで、9月9日のドイツ戦（4-1）を含めて、欧州へ遠征した9月シリーズは2戦2勝で終えた。元日本代表DF栗原勇蔵氏は森保ジャパンの戦いぶりを総じて高く評価した一方で、GKの課題を指摘している。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部）

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　森保監督は9月9日に行われ、4-1で大勝したドイツ戦からスタメン10人を変更。日本は前半15分に代表初スタメンとなったMF伊藤敦樹が左足の強烈な一撃を決めて先制すると、同28分にはMF久保建英のシュートをGKが弾いたこぼれ球をMF中村敬斗が押し込んで追加点。さらに前半36分には中村がゴールネットを再び揺らし、さらにリードを広げた。

　前半終了間際と後半15分にはトルコが得点を奪って点差は縮まったが、日本は途中出場のFW伊東純也が単独突破からPKを奪い、それを自ら決めてダメ押しした。日本は4-1で勝利した3日前のドイツ戦に続く快勝で、9月の欧州遠征を2戦2勝で終えた。

　9月シリーズでは、J1サンフレッチェ広島のGK大迫敬介がドイツ戦でゴールマウスを守り、最少失点（1失点）で切り抜けた。続くトルコ戦ではポルトガル1部ポルティモネンセのGK中村航輔が前半44分に失点し、肩の負傷で交代。前半アディショナルタイムからベルギー1部シント＝トロイデンのGKシュミット・ダニエルが送り込まれたが、後半16分に失点を喫する結果となった。

　元日本代表DF栗原氏は、「GKがハマればもっと良かった」と9月シリーズでの課題を指摘する。

「GKは世界で一番差があると言われるポジション。Jリーグ組の大迫（敬介）はまずまず良かったけど、どうしても物足りなさを感じてしまう。（31歳の）シュミットも途中出場はなかなかないだろうし、所属チームで鈴木彩艶が加入してきた難しさもあると思います。GKにさらに一段階上の選手、絶対的な存在が出てきたら日本はさらに強くなるはずです」

　栗原氏は、「期待はやはり鈴木彩艶とかですかね」と、今回はU-23アジアアップ予選に臨んだU-22日本代表としてプレーした身長190センチを誇る21歳の名前を挙げた。

「世界と渡り合うなら身長190センチ以上で、動ける守護神が欲しい。これはもうマストの条件と言える時代。リーチも足もとの技術もベースとして求められると思う」

　9月シリーズのメンバーだったシュミット、中村、大迫のほかに、頼れるGKが台頭してくるかも、森保ジャパンの注目ポイントとなりそうだ。