浦和が「4位にいる理由」 選手、監督が分析…横浜FM戦で見えたのは「1位になるクオリティーが足りない」

浦和は横浜FMとスコアレスドローに終わった【写真:Getty Images】
浦和は横浜FMとスコアレスドローに終わった【写真:Getty Images】

Jリーグ後半戦に向けての再スタート横浜FM戦は0-0

 浦和レッズは8月6日のJ1リーグ第22節で横浜F・マリノスと0-0で引き分けた。チャレンジングなプレーをしたうえで勝利に近い試合を展開した末に引き分けた感のあるゲームだったが、DFアレクサンダー・ショルツは「それが僕らが1位ではなく4位にいる理由だと思います」と現実を冷静に捉えている。

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 浦和は立ち上がりからブロックを作って構えるだけでなく、相手の縦パスに対して強いアプローチを見せる場面が多くなった。一方で相手のキーマンであるFWエウベルはDF酒井宏樹とMF大久保智明の連係で封殺。マチェイ・スコルジャ監督も「分析担当がマリノスをしっかり分析してくれたと思う。そして選手たちにはやるべきことのハッキリとした指示が出ていた。指示を出すことと実行することは別物だが、前半から大久保と酒井がしっかりやってくれた」と、その働きを高く評価した。

 そして、大久保が「相手は攻め残りにストロングポイントを持って、カウンターで強みを出してくる。その位置を取るなら守備がおろそかになる部分で数的優位が作れる」と話したように、右サイドからの攻撃が機能して多くのチャンスを作った。後方で相手と同数になるリスクを背負っていく場面もあったが、ショルツやDFマリウス・ホイブラーテンもあれば、MF伊藤敦樹が「ディフェンスラインがコンパクトにしてくれて、前の選手も限定してくれたので、狙いやすかった。守備に関しては、みんなボールを奪いに行こうという気持ちが本当に高かったので、だからこそ自分を含めて奪えるシーンが多かったのかなと思う」と話したように、チームの重心を高くして試合の主導権を奪った。

 しかし、重要なゴールには手が届かなかった。狙い通りの崩しを見せた場面はあったものの、前半にはDF荻原拓也やFWホセ・カンテが決定機を外してしまった。後半はラストパスが1本通ればというところで崩しきれなかった。スコルジャ監督は「5万人近くの観客の中で、まだタイトルを夢に見ながら戦う試合だった。本日のプレーのやり方は1つしかなく、しっかり戦ってすべてを出し切って勝ちにいくというものだった。今日はかなりいいプレーでゲームができたのではないかと思う。今日の選手たちの仕事に敬意を払いたい。今日のゲームプランをしっかり実行してくれて、決定機も作ってくれた。今日足りなかったのは決定率だった」と話した。

 相手のカウンターを相手に奮闘し、時には果敢なドリブルで攻撃参加も見せたショルツはそうしたゲームを展開しながら無得点に終わったことこそ「それが僕らが1位ではなく4位にいる理由だと思います。僕らはクオリティーもあり強いチームですが、1位になるクオリティーが足りないことでしょうか」と話す。そして「今日はみんな試合を楽しんでくれたと思います。プレーする側も楽しい試合でした。強度が高く、どっちもプレスをかけて質の高い試合でした。ただし、勝つのにはまた違う部分、要素があります。本来は試合を(ゴールで)終わらせないといけないんですけど」と、その思いを話した。

 スコルジャ監督は、勝ち点6差で2位の横浜FMとの対戦に向け「リーグ戦で今までで最も重要な試合になるかもしれない。15分だろうと90分だろうと、ピッチに立っている間は150%の力を発揮するように期待したい」と話していた。首位のヴィッセル神戸が敗れたことで勝ち点差は1つ縮まって6ポイントになったが、大きく差を詰めるチャンスだったゲームで勝ち切ることができるかどうか、得点を奪いきれるかどうかが順位表のトップを目指すうえでは真に超えるべきハードルであるのも事実だろう。好ゲームだった一方で、その現実もまた突き付けられる夜になった。

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