「イライラする」 アメリカ女子、OBの批判的見解に主将が反論「1回の練習を見ただけで分かるものではない」

アメリカ女子代表のリンジー・ホラン【写真:ロイター】
アメリカ女子代表のリンジー・ホラン【写真:ロイター】

MFリンジー・ホランはロイド氏の言葉に反論

 オーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ(W杯)で、FIFAランキング1位の優勝候補アメリカはグループリーグを2位通過。かつての中心選手だったカーリー・ロイド氏から勝利への気持ちが足りないという批判を受けたことに対し、現主将のMFリンジー・ホランは「ただのノイズ」とコメントしている。米スポーツ専門局「ESPN」が報じている。

 アメリカは8月1日のグループリーグ最終戦でポルトガルと引き分け、辛くも2位通過した。2021年まで現役でチームの大黒柱で女子W杯や五輪での世界制覇を幾度も果たしてきたロイド氏は、勝利を逃したチームに対して強く批判したコメンテーターの1人で「当たり前のことを当たり前だと思わないほうがいい。そのユニフォームを着て、自分のすべてを捧げる意志を持つこと。勝つこと、トレーニングすること、個人として最高の選手になるために全力を尽くすこと、そういったことが行われていない」とコメント。これには、ヴラトコ・アンドノフスキ監督も「非常識なコメント」と不快感を示したという。

 そして、主将ホランは「このようなことを聞くとイライラする」として、「特に、このチームをよく知っているし、どれだけ1試合に対して力を注いでいるか、そのトレーニングやハードワークも見ている」と話している。そして、レジェンドの批判に対しては強い言葉を返している。

「繰り返しになるけど、これはただのノイズ。1つの意見であり、誰もが自分の意見を言う権利がある。世の中はそのようにできている。ただ、私はチームを守りたいし、いつでもこう言いたい。舞台裏で何が起きているか、個人として、チームとして何をしているかなんて、1回のトレーニングを見ただけで分かるものではない。だから、メンタリティーに疑問を呈されるのには少し傷付くけど、結局のところそんなのはどうでもいいこと。チームの中で起こっていることと、次の試合への準備が大切」

 ロイド氏は試合翌日になって「昨夜はチームに対してとても批判的だった。反省し、寝る時間があったし、私がこのチームのことを深く思っていることを理解してもらいたい。私は17年間、代表チームに心血を注いできた。だから、私のコメントは、その遺産が世代から世代へと受け継がれ続けるのを見たいという私の気持ちから出たものだった」と釈明している。

 今大会のアメリカは世代交代の過渡期であり、その必要があるという指摘も受けているが、実績を持つ元プレーヤーたちの批判が現役選手たちにとって好影響を与えないことがあるとも言えそうだ。アメリカは決勝トーナメント1回戦でFIFAランキング3位のスウェーデンと戦い、勝利すれば準々決勝でなでしこジャパン(日本女子代表)と対戦する可能性もあるが、レジェンドからの批判はかえってチームを団結させることにつながるだろうか。

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