エルサルバドル戦では新10番を付けて1ゴールをマーク

　森保一監督率いる日本代表（FIFAランキング20位）は、6月15日にキリンチャレンジカップ2023でエルサルバドル代表（同75位）と対戦し、6-0で快勝した。カタール・ワールドカップ（W杯）後、3試合目で第2次森保ジャパンの初勝利。新背番号10として初めて試合に臨んだMF堂安律（フライブルク）は、インサイドハーフで先発出場した。東京五輪組で年代別代表から切磋琢磨してきたMF久保建英（レアル・ソシエダ）と同時起用され、右サイドで連係を取りながら攻撃に参加。“らしい”インサイドハーフで新境地を切り開いた。（取材・文＝FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞）

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　エルサルバドル戦では、10番の堂安と久保が同サイドに入った。右サイドで時にはポジションを入れ替えながら、前線にも顔を出し、強度の高いプレスをかけて守備にも奮闘した。堂安にとって新しいポジションになるインサイドハーフ。16日に行われた豊田市内での練習後、取材に対応した堂安は改めてこの位置でやるべきことを整理していた。

「あそこで自分が使われる理由はゴールだと思う。つなぎにそこまで自分を求めていないと思う。クロスにどれだけ入れるかとか、（三笘）薫くんとタケ（久保）が崩したところで仕留め役を誰が中で担うのかというところでは、自分なのかなと思う。彼らに仕事をしてもらって、おいしいところを。（前日のゴールは）おいしすぎましたけどね（笑）」

　前日の試合では三笘がシュートを狙ったところでGKが弾き、堂安の前へ。ボールはゴールに向かっていったが、しっかりと詰めてチーム4点目を奪った。2人が崩し切って仕留める、とはまた違う形だったが、ゴールを狙っていなければ堂安の前にはこぼれてこなかった。どんな形であっても、森保監督の意図を汲み取っていたからこそ、1点につながった。

　指揮官はこのチームの強みを「サイド」と言っている。その「サイド」とはスペインでシーズン通して活躍した久保と、プレミアリーグ1年目ながら世界のサイドバック（SB）の脅威となっているMF三笘薫（ブライトン）。堂安の役割は中盤からの押し上げだけではなく、最後に中央から仕留めること。その新境地に挑戦している。

　10番を付け、もちろん重圧がある。今まで以上に結果も求められる。それも理解している。

「もちろん数字は確認しているし、自分も（かつての香川真司や中村俊輔のように）そういう選手にならないといけないと思っている。そういうありがたいプレッシャーと日々戦いながらの代表活動、こんなに幸せなキャリアはない。負けずに、いつも言っているけど敵は自分だと思っているので、自分に勝てれば結果は出ると思う。そこにフォーカスするだけだと思う」

　次は20日のペルー戦。長かったシーズンも一息つく。6月16日に25歳を迎え、かつてガンバ大阪時代のホームスタジアム・パナソニックスタジアム吹田に凱旋する。次戦でも日本代表の中央で輝く10番の姿が見られるよう願いたい。